高校生世代が抱えがちな目のトラブルについて、慶應義塾大学病院の眼科医である鳥居秀成先生にアドバイスをもらった。(山口佳子)
Q. 私は近視です。進行をおさえるためにできることはありますか?
A. 屋外で活動する時間を増やすことが簡便かつ有効と考えられています。
屋外で過ごす時間を作ろう
国内外のさまざまな研究グループによる疫学研究から、「外で過ごす時間が長いほど近視になりにくい」という結果が出ています。つまり太陽光を浴びることが近視を進めないためには大切だということは分かっているのですが、そのメカニズムはまだはっきりしていません。
慶應義塾大学医学部眼科学教室の近視を研究するグループでは、太陽光の中でも特に、可視光線の下限(360-400 nm)の「バイオレットライト(紫光)」が、近視進行抑制に重要ではないかと考え、研究を進めています。一方、最近増えている通常のUVカットのメガネやコンタクトレンズはバイオレットライトも含む400 nm以下の光をカットしていることが多く、近視進行を抑制すると考えられるバイオレットライトも遮ることになってしまいます。
高校生になっても近視が進んでいるという不安を抱えている人でメガネやコンタクトレンズをしている人は、バイオレットライトを透過するメガネやコンタクトレンズにかえて、屋外で過ごす時間を作ってみるといいかもしれません。さらに、眼科専門医を一度受診してみましょう。
目に良い可能性があるサプリメントをとってみよう
サフランやクチナシに含まれている「クロセチン」という成分が、目によい可能性があると言われています。最近では、「クロセチン」を含むサプリメントもいろいろ出ているようです。
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鳥居秀成先生 (慶應義塾大学病院)
とりい・ひでまさ 眼科専門医、医学博士。慶應義塾大学医学部眼科学教室で近視研究を行う。全国高校体育連盟空手部の大会ドクターも務める。