自動運転などで新事業
トヨタ自動車と携帯電話大手ソフトバンクが自動運転技術を搭載した次世代車の事業展開で戦略提携することに合意した。共同で設立する新会社を通じて、公共交通機関の少ない過疎地での配車事業や、自動走行中に車内で患者を診察しながら病院まで送迎したり、注文のあった料理を作りながら宅配したりする新サービスを始める。
新会社「モネテクノロジーズ」では、トヨタが開発中の電気自動車(EV)を活用、一部のサービスを2019年度にも実施することを目指す。公道で自動運転車を走らせるため、国家戦略特区の設置申請を検討、海外展開も視野に入れている。
車の概念を覆すか
車の生産台数で世界トップクラスのトヨタと、人工知能(AI)を軸にして配車などの移動サービスのプラットフォームづくりを急ぐソフトバンクという異業種が手を結ぶのは過去に例がない。自動車業界は「100年に1度」の大変革期といわれており、異業種の融合は車の既成概念を覆す新たなサービスを生み出す可能性を秘めている。
国際競争が激化
自動運転やEVの開発には膨大な投資が必要で、企業が単独で賄うのは難しくなっている。海外でもAIを利用した無人タクシー開発などの競争は激しさを増しており、米大手ゼネラル・モーターズ(GM)は19年にも無人タクシーを事業化する方針。米IT大手グーグルから独立したウェイモは、小売店に客を送迎するサービスの実用化に取り組んでいる。