東京大学は11月12日、2019年度推薦入試の出願状況を発表した。165校の185人から出願があった。4度目の実施となる今回は、これまでで最も志願者が多かったが、募集人数の目安(100人)の2倍には届かなかった。(記事末尾に学部ごとの出願人数一覧を掲載)

東京大学の入試について説明する福田裕穂理事・副学長(左)ら

東大は推薦入試を2016年度入試から導入した。募集人数は全体で「100人程度」として、各学部ごとに人数の目安を割り当てている。志願者数は16年度と17年度が173人、18年度が179人といずれも募集人数の2倍未満で、合格者数は一度も募集人数に達していない。18年度入試の合格発表後は「少なくとも100人はとりたい」(福田裕穂理事)としていた。

今回の志願者185人のうち女子は44.9%にあたる83人。志願者の高校所在地は東京が34人(5.4%)、東京以外の関東が41人(22.1%)、ほかの地域が110人(59.4%)。一般入試の入学者と比べると女子や関東以外の比率が高くなっている。

出願者を出した高校数は165校。これまで16年度151校、17年度159校、18年度155校と推移しており、毎年入れ替わりがあるという。福田理事は「大事なことは推薦入試の制度を一部のところ(高校)はよく知っているが、一部は知らないとならないこと」と言う。地方で推薦入試を積極的に説明していきたい意向だ。

募集人数の目安は学部ごとに異なる。募集人数に対する出願者数の倍率を学部ごとにみると、今回は教育学部(24人出願、4.8倍)、教養学部(23人出願、4.6倍)、理学部(32人出願、3.2倍)が「人気」だった一方で、経済学部(2人出願、0.2倍)、文学部(8人出願、0.8倍)などは募集人数の目安に満たなかった。

今後、各学部で出願資格の審査や書類による第一次選考を行い、通過者に12月に面接や集団討論などの選考を学部ごとに実施。1月の大学入試センター試験の成績もふまえ、2月に合格者を発表する。

【東京大学 2019年度推薦入試 学部ごとの出願者数一覧】

※学部名の後のカッコ内は募集人数。今後、各学部で出願資格を満たしているかなどの審査をする

法学部(10人程度募集) 22人

経済学部(10人程度) 2人

文学部(10人程度) 8人

教育学部(5人程度) 24人

教養学部(5人程度) 23人

工学部(30人程度) 48人

理学部(10人程度) 32人

農学部(10人程度) 11人

薬学部(5人程度) 9人

医学部医学科(3人程度) 5人

医学部健康総合科学科(2人程度) 1人

合計(100人程度募集) 185人