体操女子のホープ、杉原愛子(大阪・梅花2年)がリオデジャネイロ五輪の代表候補に決まった。代表選考会を兼ねた大一番、NHK杯女子個人総合が5月4日に行われ、杉原は56.350点と、優勝した寺本明日香(中京大)に次ぐ高得点で、全日本選手権(4月)の持ち点と合わせた最終順位を3位とし、2位の村上茉愛(日体大)を含め3人が五輪代表候補に決まった。
緊張で寝られなかった
杉原は常に笑顔だった。「1〜2週間前は緊張で寝られない時もありました。だけど本番はすごく楽しんで臨めた」。跳馬では空中姿勢の美しさと正確なひねりの技術を見せつけた。平均台でも冷静に減点の少ない演技をし、最終種目の床運動ではターンなどダンス系の技と高度なタンブリング(跳躍や回転の動き)がバランスよく構成された演技で締めくくった。
勝負強さが武器
中学生のころから有望視されていた杉原は昨年、アジア体操選手権の個人総合で優勝し、日本の団体優勝にも貢献した。シーズンオフに肘の手術をしたが、今年の全日本選手権では「全快している」と明言していた。
均整のとれた体形はヨーロッパの選手のような美しさがあり、3回ひねりができる身体能力の高さも持ち合わせている。本番でミスをしない勝負強さも武器だ。6月の大会で残り4人の代表候補が選ばれ、試技会や合宿を経て最終候補5人が選ばれる。「五輪は夢の舞台」という杉原。最高の舞台で体操界のニューヒロインが誕生することになりそうだ。
(椎名桂子)
- 【すぎはら・あいこ】
- 1999年9月19日、大阪府生まれ。羽衣学園中卒。4歳から体操を始める。2014年全国中学体育大会優勝、全日本ジュニア選手権優勝。15年NHK杯個人総合初優勝、アジア選手権個人総合優勝。朝日生命所属。149センチ、36キロ。