世界レベルの大会で好成績
リオデジャネイロ五輪日本代表への第一関門となる全日本体操個人総合選手権大会が、4月1日から3日まで行われた。内村航平選手(コナミスポーツ)ら世界でもトップレベルの選手たちが出場する同大会で高校生が上位に入ることは困難だが、男子で総合10位と大健闘したのが、市立船橋高校の谷川翔君(3年)だ。
予選では26位だったものの、決勝では4種目を終えた時点で2位につける快進撃で周囲を驚かせた。残り2種目で順位を落としたものの、最終順位の10位は高校生の中ではトップ。全国中学校体育大会(全中)で優勝、全国高校体操選抜大会でも準優勝と実績は十分ある選手だが、世界最高レベルの全日本選手権での10位は圧巻だった。
1月のヒューストン国際ジュニア大会で個人総合優勝を成し遂げた実力を、大舞台で発揮した谷川君。「今回はすごくいい演技ができてうれしかった。すごい選手がたくさん出ている中での10位は自信になる」と言う。
ライバルから力をもらった
高校選抜では市立船橋高校の同級生・湯浅賢哉君に優勝を譲ったが、今回の成績は湯浅君を上回った。「いいライバルなので刺激し合いながら上を目指していきたい」と意欲をみせる。また、全日本選手権では兄の航さん(順天堂大学2年)を上回る成績を収めた。「兄にずっとついていって、ここまできました。兄が頑張っているから、自分も頑張れたと思う。でも、できれば次も勝ちたいです」
目指すはナショナル選手
次の出場大会となる5月のNHK杯での目標を聞くと、「12位以内に入ると国際試合に派遣されるナショナル選手になれるので、それを目指したいと思っています」と言い切った。
東京五輪が開催される2020年に向けて、谷川君は今年、大きな一歩を踏み出した。
(椎名桂子)
- 【たにがわ・かける】
- 1999年2月15日生まれ、千葉県出身。法田中卒。5歳から体操を始める。全中は1年生で4位、2年生で2位、3年生で優勝。2016年はヒューストン国際ジュニア個人総合優勝、種目別あん馬優勝、高校選抜個人総合2位と大躍進。得意種目はゆか。152センチ、51キロ。