インターハイでの個人総合と団体優勝を誓う萱和磨

3月の全国高校体操選抜大会で、個人総合を制した萱和磨(千葉・習志野3年)=千葉・幕張西中出身。基礎練習の積み重ねでつかんだ自信が、自らを高校体操界の頂点へと飛躍させた。 (文・写真 小野哲史)

練習は倒立から

体操との出会いは小学2年の時。アテネ五輪で日本に金メダルをもたらした冨田洋之さん(現・順天堂大助教)に憧れ、近所の体操クラブに通い始めた。6年生の途中で移った「習志野ジュニア」は、高校体操界の強豪・習志野の下部組織。当時から高校生と同じ環境で練習しながら技を磨いた。

中学時代は全国大会での7位入賞が最高位。高校入学後は「しっかり練習を積めば、本番で自信を持って演技ができる」と信じ、平日の約4時間と、休日の約6時間、練習を重ねた。

本練習に入る前のウオーミングアップでは、必ず倒立をする。個人総合は6種目の合計得点で競うため、「倒立はどの種目でも必要な基本技術。これがきちんとできれば、失敗のない演技につながる」と基礎をおろそかにしない。

日頃の鍛錬が実を結び、全国高校選抜大会の個人総合を初めて制した。「全種目ノーミスで、練習でやってきたことを出し切れました。内容も結果も満足です」と胸を張る。

インターハイで頂点目指す

だが、一桁の順位を狙った5月の全日本選手権は総合27位。持ち味の安定感を欠き、「自分の演技が全然できなかった」と悔しがった。同選手権には白井健三(神奈川・岸根3年)ら同世代の選手も出場した。普段は仲の良い友人だが「試合では別。負けたくない」とライバル心を燃やす。

今は8月の全国高校総体(インターハイ)の頂点を見据える。「個人総合で勝つのは自分の中での絶対条件。団体でも昨年、全国を制した市船橋を県予選で破って優勝したいです」

♠かや・かずま 1996年11月19日、千葉県生まれ。2013年全日本ジュニア個人総合2位。同年の世界ジュニア選手権個人総合優勝。得意種目はあん馬、平行棒、鉄棒。162センチ、52キロ。