横浜国際高校(神奈川)の3年生11人は、利益を求めながら社会貢献に取り組む日本企業をイラスト入りの地図とリポートで紹介する「ソーシャルビジネスマップ」を作製した。
長谷川瑶菜さん、柴渓一郎君らは昨年8月、11人で考えたビジネスプランを発表する海外へのスタディーツアーの一環で、ベトナムの日系企業を訪問。そこでは日本人社長が、ベトナム人社員の働きやすい環境を整え、自然に優しい無農薬の商品を扱っていた。「利益追求だけでなく、生産者や消費者に優しく、さらに社会貢献にもつながる企業の存在を知りました」(柴君)
「(そうした企業の存在を)学校のみんなに伝えたい」と柴君らは、社会貢献度が高く、生徒が実際に足を運べる日本の企業を紹介するマップ作りを始めた。
「人々幸せにする」6社を訪問
今年1月、生徒の通学・生活圏にある鉄道(横浜高速鉄道みなとみらい線)沿いに絞ってインターネットで企業を探し始めた。会社規模や社会貢献を果たす事業内容などの観点で議論を重ね、ランチ1食につき20円の寄付金がアフリカ各国の学校給食費に活用される飲食店など、6社を選び、訪問した。「日本でも多くの企業が人々を幸せにするビジネスに取り組んでいました。私の消費行動で世界の誰かを救えるかもしれない。驚きの発見でした」(長谷川さん)
訪問先の一つ、アウトドア衣料メーカーでは、担当者から「店内の好きな服を選んでごらん」と言われた。「僕が選んだ上着の商品タグを見ると、環境に配慮した素材を使用していることが詳しく説明されていました。今まで全然気がつきませんでした」(柴君)
各企業の社会貢献事業をリポートにまとめ、地図には掲載する企業の場所とともに横浜中華街や横浜赤レンガ倉庫のイラストをちりばめた。完成後、校内の掲示板や掲載した各企業の店内に張り出した。 (文・写真 中田宗孝)