無関係の会社が被害

神奈川県の東名高速道路で昨年6月に起きた死亡事故をめぐり、まったく無関係の福岡県北九州市内の建設会社が事故に関係しているとするデマや個人情報をインターネット上に書き込んだとして、福岡県警は9道県の33~63歳の男性11人を名誉毀損(きそん)の疑いで書類送検した。

容疑は昨年10月、携帯電話やパソコンを使ってネットの掲示板サイトやSNSにデマを書き込んだり転載したりして、建設会社の名誉を毀損した疑い。

うわさ信じ「許せないと」

事故は、静岡市の一家が乗るワゴン車に大型トラックが追突し夫婦が死亡、娘2人がけがをした。パーキングエリアで駐車方法を注意された福岡県の男が、ワゴン車を追い掛けて進路をふさいで事故を起こしたとされる。

警察などによると、男が逮捕された後「北九州市内の建設会社が男の勤務先で、(たまたま同姓だった)この会社の社長が父親である」とする偽情報がネットに投稿された。このため、会社には「おやじを出せ」「親族でない証拠を見せろ」といった中傷や無言電話が相次ぎ、休業せざるを得ない日もあったという。

書類送検された11人は「ネット上のうわさを信じ、勤務先も許せないと思い、書き込んだ」などと容疑を認めているという。

【memo】大阪の地震でもデマ情報
6月18日に大阪北部で震度6弱を観測した地震の後、SNSに「外国人がコンビニ強盗を始める」といった投稿や、「テロに注意」という根拠のない内容も発信された。「シマウマ脱走」という事実無根の情報も写真付きで掲載されたため、大阪府は「実際に起きていない事故など、事実と異なる情報が発信、拡散されている」と呼び掛けた。