ドーピング国ぐるみ
国際オリンピック委員会(IOC)は、国主導でドーピングの組織的不正があったとしてロシア・オリンピック委員会を資格停止とし、2月の平昌(ピョンチャン)冬季五輪から同国選手団を除外することを決めた。一方で、条件をクリアして潔白を証明した選手は「ロシアからの五輪選手」の個人資格での参加を容認した。
IOCの調査委員会が国ぐるみの不正システムを裏付ける物的証拠などを記した報告書を提出し、これを受けてIOC理事会が処分を決定。バッハIOC会長は「五輪に対する前代未聞の攻撃だ」と非難した。
潔白選手は個人参加も
ロシア選手の平昌五輪参加は、過去にドーピング違反歴がなく、大会前の検査を全て受け、世界反ドーピング機関(WADA)やIOCなどが新設する委員会が潔白であると認めることなどが条件。表彰式ではロシアの国旗や国歌の代わりに五輪旗が掲げられ、五輪賛歌が使われる。
4年前はメダル33個
2014年のソチ五輪では、違反が発覚しにくい方法での禁止薬物摂取、検体のすり替えなど不正隠い ん蔽ぺ いが暴かれた。WADAは、11年から15年にかけて夏季五輪やパラリンピック競技も合わせ、1000人以上のロシア選手が不正に関与または恩恵を受けたと結論付けた。ロシアはソチ五輪で金メダル13個などメダル総数33個を獲得し、ともに国別ではトップだったが、IOCの再検査による違反者は25人に上り、金4、銀6、銅1のメダル剝奪が決まっている。