映画「好きっていいなよ。」に出演する福士蒼汰さん。高校時代は、高校の部活動としては珍しいダブルダッチ部に所属し、自分を表現することで得られる喜びを知ったという。
(文・中田宗孝、写真・幡原裕治)

自分から告白したい

 映画「好きっていいなよ。」は高校生のピュアな恋愛模様を描く。福士さんは学校で1番モテる男子生徒・大やまと和を演じたが「役作りには悩んだ」と話す。
 
 「大和は『キスは好きな人とだけ』なんて言うわりに、複数の女の子とキスできる男。その行動が理解できず、初めはうまく役に入れませんでした……」
 
 そこで、大和の内面について、監督とじっくり話し合った。
 
 「彼は人が困っていたらほっとけない性格で、相手が喜ぶなら恋愛とは別のキスができるんだと分かりました。脚本にない彼の一面を知り、演技に生かせたと思います。恋に一歩踏み出す勇気が出る作品なので、気になる異性と見てほしいですね」
 
 ちなみに自身は「告白は自分からしたいタイプ。付き合っている女の子が、他の男の子と話しているだけで嫉妬しちゃうかも(笑)」と話す。

人見知りを克服

 高校時代はダブルダッチ部に所属し、部活に打ち込む毎日を送った。ダブルダッチとは、向かい合う2人が回す2本の縄の中を、アクロバティックな技を交えながら跳ぶ縄跳びのこと。「単純にカッコいいと思ったのが入部のきっかけ」と話す。
 
 「難しい技をマスターするのも楽しかったし、人前で技を披露して歓声をもらう快感も知りました。中学までは人見知りだったのですが、ダブルダッチで自分を表現するようになってからは、同級生に積極的に話し掛けるようになりました」
 
 2年時の文化祭ではチームのリーダーと、演技発表会の全体MCを任された。「大変だったけど、終わってみれば充実感が残った。高校で1番の思い出になりました」と振り返る。 高校生には、こんなメッセージを送る。
 
 「今を全力で楽しむべきです。自由に何でも挑戦できる時期だと思います。勉強も部活も遊びも、後悔することなく全力でやりきってください」

ふくし・そうた
1993年5月30日、東京都生まれ。2011年俳優デビュー。主な出演作は「仮面ライダーフォーゼ」「あまちゃん」。9月6日に出演映画「イン・ザ・ヒーロー」、11月15日に「神さまの言うとおり」の公開を控える。