モデルやキャスターとしての顔を持ち、多方面で輝く女優の桐谷美玲さん。高校時代は、ラグビー部のマネジャーとして、部員たちを献身的にサポートした。バレンタイン用のお菓子を徹夜で作ったり、ミサンガを手作りしたり……。「すてきな時間を過ごした」という日々を振り返ってもらった。(文・中田宗孝、撮影・幡原裕治)

部員40人分の食事作り

高校1年生のころにスカウトされて芸能活動を始めた。普段の学校生活では、ラグビー部のマネジャーとして部員たちのサポートに励んだ。思い出すのは、約40人の部員への食事作りだ。「夏合宿ともなると朝から晩まで。食べ盛りのラガーマンなので、一度の食事で100人前を用意するのを保護者の方と協力しましたが、大変でした(笑)」

7人のマネジャーで手分けして、部員全員に配るバレンタイン用のお菓子作りに徹夜で励んだことも。高校3年生の最後の大会前には、部のユニホームカラーの手作りミサンガを部員に渡し、勝利を祈った。「練習グラウンドは思い入れ深い青春の場所」という。

「当時の私は、勉強や部活を面倒に感じる日もありました。でも、今振り返ると、同年代の仲間たちと夢中で過ごした高校生活は、とてもすてきな時間だったな」

大学でメディア論学ぶ

芸能活動と並行して大学に進学。「メディア論の講義は、自分の幅が広がり、楽しかった」と話す。「テレビでよく流れているCMを分析したり、流行ファッションを研究したり。ただ、レポート提出に追われる日々でもあったので、楽しいばかりではなかったですが(苦笑)」

首相目指す女性熱演

映画「リベンジ girl」では、総理大臣を目指して選挙に出馬し、対立候補の元カレと票を争う女性を熱演。劇中で選挙演説にも挑戦した。「自分の主張をスラスラと話すのではなく、要所で細かく区切りながら丁寧な口調で伝える。演説は人に聴いてもらうことが大切だと役を通じて分かりました」

選挙権を持つ18歳の高校生には、先輩有権者として「選挙に参加して、世の中の動きに積極的に関わろう」と呼び掛ける。「政治は、違う世界の出来事ではなく、自分の日常生活に直結すること。私は、自分の選挙区の各候補者が主張や政治理念を記したリーフレットを読み、投票の参考にしています」

ⓒ2017『リベンジ girl』製作委員会

 

 

 

 

『リベンジ girl』

東大首席の頭脳と美貌を併せ持つ宝石美輝(桐谷美玲)は、政治家の家庭育ちのイケメン彼氏に裏切られて大失恋。政治家を目指す元カレを見返そうと、美輝は初の女性総理大臣を志す。配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント。12月23日から全国公開。

 
【きりたに・みれい】
1989年12月16日生まれ、千葉県出身。2006年、女優デビュー。主な出演作は、映画「荒川アンダー ザ ブリッジ」「ヒロイン失格」ほか。ファッション誌のレギュラーモデルや報道番組「NEWS ZERO」(日本テレビ系)の火曜日キャスターとして活躍中。