クッキーの販売を行う森川さん(左)ら研修生(学校提供)

北海道・札幌聖心女子学院高校の2年生10人は2月、米ニューヨークで国連研修に参加した。そこで知ったシリア難民の窮状に衝撃を受け、手作りクッキーを販売し、売り上げを難民支援団体に募金する活動をしている。

船で逃げる姿に衝撃

同校は毎年、国連本部で研修を行い、難民や移民など世界で起きている問題を学んでいる。森川祐羽さん(2年)が、この研修で言葉も出ないほど驚いたのがシリア難民の姿だという。「難民が、小さな船からあふれそうなほど乗ってギリシャに逃げる映像を見た。その中に交じった赤ちゃんや同年代の子どもたちの姿が脳裏に焼き付いて離れない」

生まれた場所が違うだけで境遇が大きく変わる現実を知り、帰国後、研修生たちは自分たちでできる支援をしようと決めた。森川さんは中学時代、部活動で焼き菓子を作って販売し、売り上げを募金する活動をしていたことからクッキー販売を思いついたという。

手書きメッセージ添えて

1回目は7月の学校祭、2回目は9月の保護者会主催のバザーで、前日に校内の調理室で焼いたクッキーを300枚ずつ販売した。掲示物やクッキーを詰めた袋に添えた手書きのメッセージで、難民の現状を知らせる工夫もした。売り上げと募金を合わせた支援金は、2回の販売で8万円を超えた。

12月に開かれる同校のクリスマスコンサートでも販売を行い、3回分の支援金はユニセフのシリア緊急募金に寄付する予定だ。(木和田志乃)