透明感のあるたたずまいが印象的な新人女優・松風理咲さん。演技力を磨くために勉強する日々を送っている。現役高校生でもある彼女は「もう高校2年生。高校生活はあっという間」と話す。残りの高校生活を後悔しないため、学業と女優の両立を目標に掲げ、全力投球している。(文・中田宗孝、写真・玉井幹郎)

東京の環境に戸惑い

中学生の時にスカウトされたのをきっかけに芸能界入りした。女優の仕事をするため、地元の岐阜を離れて東京の高校に進学。「1年生のころは、地元との環境の違いに全然慣れなくて、戸惑いや不安が大きかった」と振り返る。

そんな時、同じ学校に通う友人の存在が心の支えとなった。「遠足で遊園地を一緒に回った時に急速に仲良くなって。彼女が隣にいると落ち着くし、何でも相談できるんです。実はその子、私の姉と雰囲気が似ていて、だから居心地がいいのかな(笑)」。

苦手な世界史、成績上げたい

現在、文系コースを選択している。学力向上を決意し、新たに「1日最低1時間の自宅勉強」を自分に課した。「今まではテスト前に焦って猛勉強するタイプ(苦笑)。それではダメだと思い、継続的に勉強するやり方にしました。気分が乗らないときは、図書館で勉強するなど環境を変えて、集中できる工夫をしています。今は、苦手な世界史の成績を良くするため、頑張ってます」

演技力を磨く努力も重ねる。休日は「演技者の目線」でドラマや映画作品をチェックしている。「自分の演技の引き出しにない、せりふの言い方やせりふを受けた時の表情に注目しています。先輩のお芝居からたくさん吸収して、自分の演技の幅を広げたい」

初主演の緊張乗り越えた

松風さんが高校生役を演じた映画「トモシビ 銚子電鉄6.4kmの軌跡」。物語の舞台となる千葉の銚子電鉄は、地元の人の援助で廃線危機から立ち直ったローカル線だ。現在も銚子商業高校をはじめ、多くの高校生が駅舎清掃などで支援している。

劇場映画の初主演に「本番前は自分で分かるほどガチガチ」。極度の緊張は、同年代の共演者らと親密になることで乗り越えた。「撮影の合間にいっぱいおしゃべりをして、劇中のような友人関係を築けたんです」。高校生にもオススメの一作になった。「仲間たちと心を一つにして大きな目標に向かうのってすてきだなって、再発見できますよ」

ⓒ2017 トモシビパートナーズ

トモシビ 銚子電鉄6.4kmの軌跡

千葉県銚子市のローカル線・銚子電鉄を盛り上げるため、地元の高校生の杏子(松風理咲)たちは、電車と高校生がリレーで競争する「駅DEN」を企画する。だが、大会直前に高校生ランナーが1人足りなくなり……。配給・トモシビパートナーズ。配給協力・アーク・フィルムズ。5月20日から新宿武蔵野館ほか全国公開。

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