英検やTOEICなどの英語資格は、今や多くの大学で出願基準となっています。しかし私は、資格で測られる英語力より、「相手に伝える努力」のほうが、意志が通じるためには必要だと思うんです。(高校生記者・麦=2年)

「英語が伝わらないかも」は余計な心配だった

学校の先生に「英語ができれば世界とつながる」「将来の選択肢が広がる」と繰り返し言われてきました。その言葉を信じて英検の勉強に力を入れているのですが、今年3月、オーストラリアへ短期留学をして、信じてきた考えに違和感を覚えました。

毎日Duolingoで英語の勉強をしている

英語力にあまり自信がなく「言葉が通じなかったらどうしよう……」と不安でしたが、実際は会話やアクティビティを通じて、楽しい時間を過ごせました。

例えば、パスタを麺から作った時は、シェフがジェスチャーを交えて教えてくれました。簡単な英語で意味が分かるように教えてくれ、「海外の人と一緒に活動している」という実感が楽しくて、自然と笑顔になれました。 

「伝えようと努力する姿勢」が大事

「英語ができなくても問題ない」と言いたいわけではありません。強く感じたのは、「伝えようとする努力」が何より大切だということです。

もちろん、将来世界を相手に仕事をしたい人にとっては、語学力の精度や資格の重要性は大きくなります。ですが、交流を目的とするなら、語彙(ごい)や文法の正確さ以上に、「相手に伝えたいと努力する姿勢」が大切だと感じました。

例えば、ジェスチャーをしたり、絵を描いてみたりした方が、会話が盛り上がる場面も多く、「話すときのテンション」でも印象は変わります。日本語でも同じです。

加えて「単語がわからないから言わない」ではなく、自分のわかる単語を使って説明するのが大事です。相手にも、「伝えたい」という気持ちが分かってもらえると思います。

資格で「伝えようとする力」は図れない?

英語に関する資格は多くの大学で出願条件や加点対象なので、私は英検2級の取得を目指して勉強を続けています。でも、「語学力を証明する資格がないと優遇されない」というのは少しおかしいように感じます。

留学に行って、語学力は文法や語彙力以上に、「伝えようとする力」が大切だと分かりました。しかし、英検などの資格は「文法や語彙力を図る資格」のように思います。それは、英語でコミュニケーションを取り、相手と「つながる」ことに直結していないようにも思います。

英語ができる証明になるのか?

学校で英検2級を取得している子でも、日常会話がものすごくスムーズにできるわけではありません。反対に、英検を取得していなくても、コミュニケーション力が高い子は、英語の授業で積極的に話しています。なので、文法や語彙力は自然な英語力に直結しないと感じるんです。

大学に入るために、短期間勉強して取得したとしても、継続しなければ身についてきません。それでも資格取得が求められる状況に、私は少しモヤモヤしています。