起立性調節障害を疑ったら、すぐに病院を受診することが大切だ。症状の見極め方や診断の流れを、起立性調節障害に詳しい医師・山分銀六先生(やまわけ・ぎんろく、大阪医科薬科大学病院小児科)に聞いた。(木和田志乃)
チェックリストで症状を確認
―どんな症状が現れたら起立性調節障害を疑えばよいですか。
病院やクリニックで実際に使用されているチェックリストを利用して、当てはまる症状がないか確認してみましょう。
「立ちくらみやめまいを起こしやすい」「立っていると気持ちが悪くなったり倒れたりする」など、11項目のうち三つ以上当てはまる場合は起立性調節障害の可能性があります。二つ以下でも特に朝、症状が強く出る場合は注意が必要です。
まずは内科or小児科を受診して
―起立性調節障害が疑われたら何科を受診したらいいですか。
まず、他の病気の可能性を除外するため、高校生であれば内科(最近は小児科でも可能なところが多い)、中学生であれば小児科を受診してください。その後、受診した病院に起立性調節障害に詳しい医師がいる場合は、そのまま診察を受けます。専門の医師がいない場合、かかりつけ医で治療を行います。4週間経過してもまったく改善しない場合や、初診時からすでに1ヶ月以上の不登校が生じている場合は、専門の機関に紹介してもらいましょう。高校生は心療内科や精神科、小中学生は心身症や児童精神を専門にする医師がいる病院やクリニックなどです。

他の病気の可能性を排除する
―どのような手順で起立性調節障害であると診断されますか。
疑われる症状が三つ以上ある場合、血液検査や心電図、心臓超音波検査などを必要に応じて行い、同じような症状の出る他の病気が隠れていないか調べます。例えば思春期の女子に多い貧血は頭痛やめまいが、甲状腺の病気では動悸や倦怠(けんたい)感が出やすく、起立性調節障害の症状と似ています。
―他の病気の可能性がない場合、次にどんな検査をしますか。
他の病気の可能性が否定されたら、「起立試験」を行います。専用の機器や血圧計を使い、横になった状態から立ち上がった時の血圧や心拍数の変化を調べます。
寝ている状態から立ち上がると心臓に戻ってくる血流が減るため、血圧は下がります。逆に、心臓はそれまでと同じ血液を送り出そうとして速く動き、心拍数は増えます。健康な場合、その変化は一時的です。しかし、起立性調節障害の場合は、血圧の回復が遅かったり、心拍数が高いままであったりと、健康な人とは異なる変化が見られます。
症状は4タイプある
―起立性調節障害には、いくつかタイプがあると聞きました。
血圧や心拍数がどのように変化するかにより、四つのタイプに分類されます。
一つめは「起立直後性低血圧」で、血圧の回復に時間がかかるのが特徴です。
二つめは「体位性頻脈症候群」で、立ち上がった後に上昇した心拍数が戻りません。
三つめは「血管迷走神経性失神」で、立っている間に血圧が突然低下し、失神することがあります。
四つめは「遷延性起立性低血圧」で、立ち上がった直後の血圧の回復は正常ですが、立ち続けていると徐々に血圧が下がります。
起立試験の結果から、どのタイプに当てはまるか診断します。
山分銀六
やまわけ・ぎんろく 大阪医科薬科大学病院小児科専門医。起立性調節障害について専門的治療を行う。