「目覚ましを切って二度寝をしてしまった」経験、誰もがあるのでは? 「朝が苦手」なのは、体内時計や脳の働きが関係しているかも。睡眠の専門医・下浦雄大先生にスッキリ目覚めるためにできることを聞いた。(文・黒澤真紀、監修・白濱龍太郎先生)

 

朝起きられず二度寝、どうすれば?

高校生新聞の高校生読者に睡眠に関する悩みを聞いたところ、「朝起きる時に、目覚まし時計を止めて2度寝してしまうのが悩みです」(高1)、「朝、アラームが鳴って目が覚めても、止めるだけ止めて、すぐにまた寝てしまいます」(高2)と声が寄せられた。どうすれば朝、すっきりと目覚められるのか?

目覚ましをかけても二度寝してしまう

「体内時計のずれ」が原因

下浦先生は、「二度寝してしまうのは、意思の問題ではなく、脳と体が“まだ眠る時間”だと感じている可能性が高い」と説明する。「目覚ましを止めたあとに再び深い眠りに入ってしまうと、起きづらくなります」

日によって起きる時刻がずれるのが原因で脳が混乱し、起きるべき時間に深い眠りが続いている場合もある。「昨日の起床が遅かった場合、体内時計がずれて次の日の朝に深い眠りが重なってしまう場合があります」

起きる時間を「宣言」してみて

朝のスイッチを入れる準備として下浦先生がすすめるのが「宣言効果」だ。「『〇時に起きよう』『〇時間後に起きよう』と意識してから眠ると、時刻に合わせて目覚めやすくなります。脳が意識した時間に、目覚めを促す効果があるホルモンのコルチゾールを分泌しやすくなるため、自然と体が“起きる準備”を始めるのです」

起床1時間前から日光を浴びる

朝の光も重要なポイントだ。目の奥に光が入ると、体内時計がリセットされ、心拍数や血圧が自然と上がりやすくなる。

「部屋を暗くして眠るのは大切ですが、明け方にはカーテンを少し開けておくなどして自然光を取り入れるのも二度寝を防ぐ方法の一つ。起きる1時間ほど前から光を浴びれば、深い眠りから徐々に浅い眠りへと移行し、目覚めやすくなります」

明け方にはカーテンを開けておく

試しても効果が無かったら病院へ

「宣言効果や朝の光の工夫を続けても起きられない」「授業に遅刻しがち」など、生活に支障を感じるようになったら、睡眠外来での相談も視野に入れてほしい。

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下浦雄大

RESM新東京スリープメディカルケアクリニック副院長。専門は循環器内科。日本睡眠学会総合専門医・産業医。山梨大学医学部卒業。