鈴木福さんは、俳優業で活躍する一方で、現役大学生として学生生活を過ごしている。仕事をしながら臨んだ受験生時代の過ごし方や、メンタルの保ち方を高校生記者が取材した。(取材・大熊美尋=高校生記者、構成・中田宗孝、写真・幡原裕治)

仕事や学校のスキマ時間に受験勉強

―福さんは現在大学2年生ですね。高校時代、勉強と仕事をどのように両立させて大学受験に臨んだのでしょうか。

受験生であっても、芸能活動はストップしたくなかったのでお仕事をいただけたら取り組む姿勢でした。仕事ありきで、その中で勉強や読書の時間を確保するようにしていました。一つの仕事を終えて、別の仕事現場に向かう移動中に本を読むのが日常でしたし、学校での休み時間も受験勉強に充てるようにしていました。

鈴木福さん(ヘアメイク・堀川知佳、スタイリスト・作山直紀)

あえて自分の限界を試してみて

―過密スケジュールの中での高校生活だったのですね。

振り返って思うのは、「何にでもがむしゃらにやってやる!」というパワーを持っていたなと。今の自分よりも高校生のときの方が体力あったし……(苦笑)。

今も仕事と学生生活の中で「しんどいな」と感じる瞬間はあります。ですが、あの高校時代を過ごしていたからか、当時よりは自分なりのペース配分の見極めができるようになったからか、何だかんだ乗り越えられています。

高校生のみなさんも、学校や部活、勉強と、予定がぎっしり詰まっているとは思いますが、あえて自分の限界を試してみる、というのも悪くないと思います。少し無理をしてでも、自分がやりたい、楽しいことを予定に組み込んでみるとか。

つぶれそうなときは「いい未来」を想像

―高校生からの質問です。「周りからの期待に押しつぶされそうなことがあります。福さんはそんなとき、どうやってメンタルを保っていますか?」

僕は「いい未来」ばかりを描きます(笑)。その考えが、いつも自分をポジティブに保つ秘けつだと思っています。

 

受験生のときは「本当に合格できるのかな」とか「不合格になったらどうしよう」と、不安な気持ちで揺れていた時期がありました。

そんな不安を強く感じたときこそ、「この先の自分の未来にはこんないいことがあるぞ!」と、そう思い続ける心持ちを大切にしていました。

高校時代、体育祭に参加できず未練…

―高校生のときに「これだけはやっておけばよかった」という後悔はありますか?

結局3年間、一度もできなかった体育祭かな。僕が高校生のころはコロナ禍だったので、1、2年生のときは体育祭自体が中止。コロナが収束し始めた3年生のときにようやく開催が決まったのですが、雨で延期になってしまって。振り替えの日は、仕事と重なり不参加に……。悔いは残っています。

アニメ映画の日本語吹き替えに挑戦

―日本語吹替の声優として参加したアニメ映画「野生の島のロズ」では、ロボットに育てられる雁(がん)・キラリの声を担当しました。どのようにキャラクターの声を作っていきましたか。

今作では日本語吹替版のキャラクターの声なので、まずは、もとになる英語版の作品をしっかり鑑賞しました。そのうえで僕が演じるキラリのキャラクター像をつかんで、日本語吹替版のせりふを確認しながら、どう感情を声に乗せて伝えようかと考えていきました。

(C)2024 DREAMWORKS ANIMATION LLC. 

―英語版の「野生の島のロズ」が基本なのですね。

そうですね。英語版でキャラクターの基本的な雰囲気があるので僕が演じるキラリの声もやっぱりキラリの芯となる英語版に近づけるべきなんだろうと思っています。

今作を鑑賞者したみなさんが、「僕の声が良かった」「楽しい作品だった」という思いを抱いてもらえることが、声優としての一番のやりがいになっています。

「空」と「地上」で声の違いを演じ分け

―雁の役なので、水鳥ならでは声の演技はあったのでしょうか。

空を飛びながら話すときと、地上で話すときの声の距離感は意識しました。空と地上では、話し掛ける相手との距離感が違うので声や息づかいを変えてどのくらいの距離感があるのかをイメージしながらキラリの声を演じました。

物語の中でどんどん成長していくキラリの姿は、今作の見どころの一つでもあります。僕は、キラリが飛ぶために何度も挑んでいくシーンがすごく好き。キラリのカッコいいシーンもあるので、期待してほしいです。

鈴木福さんのサイン色紙&「ノート&ペンシルセット」をプレゼント!

鈴木福さんのサイン色紙を1人に、「野生の島のロズ」の「オリジナルノート&ペンシルセット」を3人にプレゼント。高校生新聞編集部LINE公式アカウントとお友達になってから、「鈴木福さんサイン希望」または「野生の島のロズグッズ希望」と明記の上、「学校名・学年・記事の感想」をメッセージに書いて送ってね。応募資格は高校生・中学生に限ります。2月28日締め切り。当選者には編集部からメッセージでお知らせします。

すずき・ふく

2004年6月17日生まれ。東京都出身。1歳で芸能界デビュー。11年放送のドラマ「マルモのおきて」で注目を集める。主な出演作はドラマ「妖怪人間ベム」「コドモ警察」、特撮テレビドラマ「仮面ライダーギーツ」など。日本テレビ系の情報番組「ZIP!」の木曜パーソナリティー。

アニメ映画「野生の島のロズ」

(C)2024 DREAMWORKS ANIMATION LLC. 

人間の生活を快適にするために開発されたアシスト・ロボットのロズ(吹替版の声・綾瀬はるか)は、嵐に見舞われて無人島へと漂着した。野生動物たちの言語を学習しながら、島での生活の順応を試みる。ある日、ロズは自らに搭載された機能を駆使し、雁(がん)の卵のふかに成功。産まれてきたひな鳥をキラリ(吹替版の声・鈴木福)と名付け、育て始めるのだが……。配給・東宝東和、ギャガ。2月7日(金)から全国公開。

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