高校生の遊びの定番・カラオケ。高得点を出したくても、伸び悩んでいる人もいるだろう。どうしたら90点以上の高得点を出せるのか、うまくなるコツを「カナリアミュージックスタジオ」で代表講師を務める、ボイストレーナーの藤嶋拓未さんに教えてもらった。(和田七望=学生ライター)

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【音程をつかむコツ】「採点画面」を動画に撮って見返そう

―友達とカラオケに行ったとき、高得点が出ると盛り上がりますよね。90点以上を取るコツはありますか?

「音程を正確に歌うこと」です。「ビブラート」などの加点技術がなくても十分に90点を狙えます。音程を外さないためには、音の高さや音の幅に合わせて、採点バーに正確に声を当てるのが必要。アーティストの歌い方をまねるのではなく、「カラオケの採点バー」をベースに練習してみてください。

―具体的にどんな方法で練習するのがおすすめですか?

歌いながら、カラオケの画面を動画で撮るのがおすすめです。採点バーはどんどん流れていってしまうので、ただ歌っているだけでは、どこで音程を外してしまったのか分からなくなりますよね。どの部分でミスをしたのか確認して修正するために、歌い終わった後に動画を見返してみてください。

【ビブラートのコツ】波のような揺れを出そう

―カラオケの採点機能には、技術を使うと加点されるものがあります。まずは加点対象の一つ、「ビブラート」の習得方法を教えてください。

ビブラートをかける方法は三つあります。一つ目は、息の流れでつくる方法です。「息を強くする、弱くする」を繰り返して感覚をつかみ、息の強弱を声に置き換えると、ビブラート特有の波のような揺れが生まれます。

二つ目は、音の高低でつくる方法。目的の音の半音下、もしくは半音上から発声し、音程を細かく上げ下げすることでビブラートをつくります。

そして三つ目は、みぞおちの下辺りを押して、物理的に声を揺らす方法です。みぞおちの下辺りに、押すと声が揺れる部分があります。そこを探してプッシュすると、ビブラートの感覚をつかめます。

【こぶしのコツ】音を上下に揺らす感覚をつかもう

―みぞおちをプッシュするだけなら、手軽に練習できますね。次に、こぶしを入れる方法を教えてください。

ビブラートは伸ばす音の音程を規則的に揺らす技術ですが、こぶしは音程を上下に不規則に揺らすテクニックです。ビブラートをフレーズの中にワンポイントで入ることで、音がぐにゃりと曲がるようなイメージですね。そのため、まず先にビブラートから習得して、音を上下に揺らす感覚をつかんでから挑戦してみてください。

【しゃくりのコツ】ピアノアプリを活用しよう

―低い音程から本来の音程に入る「しゃくり」のコツは?

しゃくりは、目的の音より少し低い音程から入ります。その感覚をつかむためには、スマートフォンなどで手軽に使えるピアノのアプリを活用してみてください。目的の音の前にひとつ下の音をつなげて鳴らし、それに合わせて声を出していきます。声をなめらかに上に曲げるイメージで練習してみてください。

【フォールのコツ】ため息のようなイメージで

―本来の音程から低い音程に下げる「フォール」は、どのように練習すればよいですか?

フォールは、しゃくりとは逆に、本来の音から音程を下げて終わります。ため息のようなイメージで、フレーズを下げていく練習をすると感覚をつかめます。

しゃくりもフォールも、練習中は「音が外れていない?」と不安になってしまいますが、一度習得すれば、自分の好きなタイミングで自由に使えるテクニックです。どんな技術も毎回使ってしまうとくどくなりますが、ピンポイントで入れるとよりレベルアップした歌につながります。

「音域狭め、音の幅長め」の曲は高得点が出やすいよ

―高得点が出やすいおすすめの曲は、どんなものがありますか?

最近のはやりの曲は、テンポが速く、ハイトーンのボーカルが光る高音の曲が多いので、難易度が上がります。高得点を狙うなら、音域が狭く、音の幅が長い曲を選んでみてください。

男性なら、「さよならエレジー」(菅田将暉)や「虹」(菅田将暉)、「3月9日」(レミオロメン)がおすすめ。女性なら、「糸」(中島みゆき)、「残酷な天使のテーゼ」(高橋洋子)、「チェリー」(スピッツ)が、高得点を出しやすい曲です。

 

 

ふじしま・たくみ 「カナリアミュージックスタジオ」代表講師。紅白歌合戦などのTV番組に、著名なアーティストのコーラス隊として多数出演。天皇陛下御即位三十年奉祝などの舞台にも立つ。著書に、『ボイトレの教科書』『1ヶ月ボイトレレシピ』(いずれもヤマハより出版)など。

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