読者の高校生からLINE公式アカウント「高校生新聞編集部」に「カラーコンタクトを使ってみたい」という声が届いた。カラーコンタクトは雑貨屋や通販サイトでも手軽に購入できてしまうが、使用時にはきちんと安全性を確かめる必要がある。カラーコンタクトの安全性や選び方を、眼科医で窪田製薬ホールディングスの最高責任者として医療機器開発に携わる窪田良先生に聞いた。(木和田志乃)

雑貨屋での購入はNG

―カラーコンタクトは医師の診断を受けずとも、雑貨屋で簡単に買えてしまいます。医師に相談せずに購入する高校生も見られますが、このような購入方法は危険なのしょうか?

とても危ないですし、まったくおすすめできません。雑貨屋で売られているカラーコンタクトには表面がでこぼこしていたり、色が落ちやすかったりする粗悪品もありますので、注意が必要です。

目に異物を入れることで傷つくことがありますし、極端なケースでは傷から運悪く細菌に感染し、目の中に炎症が広がって失明してしまうこともあります。必ず医師に相談して購入しましょう。

―ファッションとしてカラーコンタクトを楽しむ高校生も多いですが、カラーコンタクトは安全なのでしょうか?

最近はカラーコンタクトもどんどん進化しています。コンタクトは法律で「高度管理医療機器」として定められていますが、国の基準で認可されているカラーコンタクトもたくさんあり、一定の安全基準を満たしています。ただし基準を満たしているといっても全ての人が使えるわけではなく、目のデリケートな方の中には合わない方がいるのも事実です。

ケースバイケースですので、医師と相談しながら使うことが大切です。カラーコンタクトはもってのほか、と考えられていた時代は長かったのですが、最近ではカラーコンタクトを装着している眼科医もいます。

パッケージの番号で安全性を判断して

―普通のコンタクトとカラーコンタクトの違いはなんですか?

医療用の普通のレンズは多くの人が使っているため、開発研究が進み最新の素材や質の高い素材で作られています。一方カラーコンタクトは大量に作られるものではないので、医療用のコンタクトと比べると性能が劣ります。色素の有無や素材の違いがあるので、カラーコンタクトは普通のコンタクトよりも目にトラブルが起きるリスクがあると言えます。

ただし、20年、30年前のコンタクトレンズは、今のレンズに比べ性能ははるかに劣っていました。不快感がありながらも一生それで過ごす人もいれば、今も全く問題なく健康な目の方もいますので、その程度の差かもしれません。

カラーコンタクトは「高度管理医療機器承認番号」が記載されているものを選ぼう

―安全なカラーコンタクトと粗悪品を購入時に見分けるポイントはありますか?

カラーコンタクトは「高度管理医療機器」として取り扱われているので、商品のパッケージには日本の安全基準を満たしている証明として「高度管理医療機器承認番号」が記載されています。この番号が記載されているレンズを購入してください。

 

 

くぼた・りょう 慶應義塾大学医学部卒。眼科医、医学博士。窪田製薬ホ―ルディングス株式会社代表取締役会長、 社長兼最高経営責任者(CEO)。「世界から失明を撲滅する」ことを目標にアメリカで起業。著書に『近視は病気です』(東洋経済新報社)。

 

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