女優の桜田ひよりさんに高校生記者がインタビュー。現役高校生から届いた「自己肯定感の高め方」などの悩みに答えてくれました。(取材・加藤真優花=高校生記者、構成・中田宗孝、写真・西村満)
「自分すごい」って思おう
―高校生からの質問です。「SNSを頻繁に使う中で、自分と他の人との行動や見た目を比べてしまい、自尊心が低くなってしまうことがあります。自己肯定感を上げるためには、どうすればいいと思いますか?」
ちょっとしたことでも日常の生活の中のささいなことでも達成できたなら、自分のことをめちゃめちゃ褒めるようにしていますね。心の中で(笑)。
例えば、朝いつもより目覚めがすごくいいってとき。「昨日絶対あれを頑張ったからだ!」「あれがやれたからだ!」なんて「自分エライ!」と思いながら、1日を気持ちよくスタートさせてみる。自分だけのとても小さな成功体験なんですけど、「自分すごいな」って心の底から思うようして私は自己肯定感を高めています。
お肉を食べてご機嫌に
―近い質問になるのですが、「うまくいかないことがあると、すぐに気持ちが沈んでしまいます。桜田さんは落ち込んだとき、どうやって気分を上げていますか?」
自分の好きなご飯を食べる! 私だったらお肉です(笑)。私の中で「自分の機嫌は自分で取る」という決めごとを持っています。なんだか不機嫌だったり、つらいことや大変なことがあってネガティブな感情になっていたり、そんなときってありますよね。でも仕事場の周りの人からしてみれば私個人のことは全然関係ないですし、もちろん他の人が私の心の中を知っているわけではありません。
だから私は、自分自身で気持ちを切り替えるんです。たとえ時間がかかったとしても自分の中で解決していきたい。やっぱり自分が誰かと一緒にいるときは、相手と楽しい時間を過ごしたいですし、相手にもそう思ってもらいたいですしね。
「芸術の正解って一つじゃない」
―東京藝術大学を目指す高校生たちを描く映画「ブルーピリオド」で、美術部に所属する高校3年生・森まる役で出演されています。眞栄田郷敦さん、高橋文哉さんら主要キャストのみなさんとの絵の合同練習も撮影に入る前に行ったそうですね。
学校での美術の授業を疑似体験しているみたいな雰囲気でした。絵の先生にどんどん質問する人がいる一方で、黙々と描いている人もいて。共演者のみなさん、それぞれに絵の描き方がまるで違っていて、芸術の正解は一つではないと思いましたね。
あと、その人にしか描けない絵というのが確かにある。そんな絵の奥深さをあらためて体感できました。合同練習の時間があったからこそ、今作で演じる美術部員役の感覚をつかめましたし、共演者同士の良い空気感も作れたんじゃないかと。
―桜田さんは高校3年生の美術部員・森まるを演じましたが、合同練習では桜田さんはどのように絵と向き合っていましたか。
演じるキャラクターになりきって絵を描いている人もいましたが、私は半々だったかな。半分は自分で半分は“森まるちゃん”として、キャンバスと向き合う時間を過ごしていたように思います。「撮影本番ではこんな姿勢で絵を描いてみようかな」とか、何か疑問が浮かんだら先生に質問して。私自身もとっても楽しく絵を描いていた時間でしたね。
―森まるは、主人公の八虎が絵の魅力に気づくきっかけとなるキーパーソンでもありますね。
(眞栄田郷敦さんが演じる)八虎の心を動かす言葉を掛けるシーンは、いろいろ悩みながらの撮影でしたね。八虎の感情に変化をもたらすせりふの言い方を考えましたし、その伝え方で森まるちゃんの印象も今作を鑑賞するみなさんに伝わるだろうなと感じたので。監督と相談しながら、せりふの細かい言い回しを考えながらの撮影だったんです。
実は監督とは、中3のときに別作品で一度ご一緒したことがあり、今作が2作品目なので、お互いの信頼関係はできていました。私の演技を撮影モニターで楽しそうに眺める監督を信じ、いろいろなパターンの演技に挑戦できました。
【取材後記】気持ちをコントロールする方法学んだ
取材全体を通して、本当に優しく笑う方だなという印象を受けました。インタビュー中、桜田さんが言った「私といると楽しいと思ってもらえるように」という言葉通りに、桜田さんの笑顔はパッと周囲を明るくしてくれました。
ささいなことでも何かできたら自分を褒めることは、簡単なことなのにあまりできていないことだなと実感しました。自分にいかに優しくするか、きっと優しくする事によって自分の機嫌を自らの手でコントロールし、周りの人へサポートする余裕が生まれるのだと強く思いました。
受験など大事なことを控えるとどうしても気分の浮き沈みが激しく、気分が落ち込みやすくなりますが、桜田さんが教えてくださった自分を思いっきり褒めることぜひ実践したいです。気持ちの切り替えが周りの人々への気遣いにつながるということを強く意識しながら、残りの高校生活も悔いなく過ごしたいです!(高校生記者・加藤真優花=3年)
桜田ひよりさんのサイン色紙と映画「ブルーピリオド」オリジナル絵画ステッカーをプレゼント!
桜田ひよりさんのサイン色紙を1人に、映画「ブルーピリオド」オリジナル絵画ステッカーを5人にプレゼント。高校生新聞編集部LINE公式アカウントとお友達になってから、「桜田さん色紙希望」または「ブルーピリオドステッカー希望」と明記の上、「学校名・学年・性別(差し支えなければ)・本記事の感想」をメッセージに書いて送ってね。応募資格は高校生・中学生に限ります。8月31日締め切り。当選者には編集部からメッセージでお知らせします。
映画「ブルーピリオド」
山口つばさによる人気漫画を実写映画化。高校2年生の矢口八虎(眞栄田郷敦)は、気心知れた友人らと遊びまわり、勉強も卒なくこなして好成績を維持していた。だが彼は、周囲の空気を読んで過ごす学校生活にどこか物足りなさを感じている。そんなある日、3年生の美術部員・森まる(桜田ひより)の描いた1枚の油絵に心打たれ、八虎は美術部に入部する。そして、入試の難しさで知られる東京藝術大学への受験を決意するのだが……。配給:ワーナー・ブラザース映画。8月9日(金)から全国公開。
(C)山口つばさ/講談社 (C)2024 映画「ブルーピリオド」製作委員会
-
さくらだ・ひより
2002年12月19日生まれ、千葉県出身。子役として芸能活動を始める。ドラマや映画に出演を重ねながら、2018年から約5年間にわたりファッション誌「Seventeen」の専属モデルを務めた。主な出演作は、ドラマ「彼女、お借りします」「Silent」、映画「祈りの幕が下りる時」「交換ウソ日記」「バジーノイズ」など。