英語が得意な先輩は、勉強法にどんな工夫をしているのでしょうか。全国有数の進学校を卒業し、9月からアメリカの大学に進学予定のすいさんに、高校時代に実践していた長文読解のコツを教えてもらいました。

【1】中学の教科書から文章を丸暗記

長文読解ではさまざまな文が出てきますが、英文法が理解できていないと、途中で意味が全くわからなくなり、文章を読み進めるのが難しいです。しかし、文法に意識を向けすぎると、肝心の内容が頭に入ってきません。そこで私は、中学の教科書の文章を「丸暗記」して、文法を考えなくても理解できる文の形を増やしていくことにしました。

中学の教科書

例えば“I like dogs.”という文は、特に深く考えなくても意味がわかるのではないでしょうか。これは、主語+動詞+目的語という英語の語順がすでに頭に入っていて、わざわざ考えなくても瞬時に意味が取れているということです。そして、“I like dogs.”という文を暗記すれば、“I like cats.”や“I play soccer.”といった同じ主語+動詞+目的語の構造の他の文も簡単に読めるようになります。このように、教科書に載っている文を覚えることで、瞬時に意味がわかる文を増やせます。

私はこの方法を実践し、長文読解の際に文法に意識を向けなくてもよいことが多くなり、とても楽になりました。学校で配られる教科書には、重要な文法が使われた文がきれいにまとまっています! ぜひ活用してください。

【2】単語力を強化

英語を読むときに、文法と同じくらい大切なのが単語です。文章で使われている単語の意味が全くわからないと、読み進めるのが嫌になってしまいますよね。

『英検でる順パス単』シリーズ(旺文社)は何周もした

私は英検のためにたくさん英単熟語を覚えた後、一気に英文がすらすら読めるようになって驚いたことがあります。単語や熟語を覚えるのは単純作業のようで後回しにしがちかもしれませんが、実は長文読解力を上げる近道です。まずは自分のレベルに合った単語帳を1冊選んで、集中的に覚えるのがおすすめです。

【3】洋書を読んで英文に触れる

最後に、私のイチオシの長文読解対策が、洋書を読むことです。英語の本を読むのはハードルが高そうですが、英検4級、3級ほどの英語力でも、絵本などは楽しめます。

普段から英文に触れることで、英語への抵抗感を減らし、意味が取れない文や単語を「読み飛ばす」力をつけることもできます。学校や近所の図書館に洋書が置いてあることも多く、意外に気軽に挑戦できます。

『魔女がいっぱい』(ロアルド・ダール著、Puffin )。比較的読みやすくおすすめです

英語の長文読解は、しっかり対策すれば得点源になるうえ、英語への「なんとなく」の抵抗感を減らせば将来必ず役に立ちます。ぜひ試してみてください。

すい 中高時代の得意科目は社会と英語。東京大学への進学者も多い、首都圏の高校に通っていた。9月からはアメリカの大学に進学予定の新大学1年生。趣味は読書、旅行、料理、そして食べること。

【執筆記事】

偏差値70の高校生があみ出した英単語暗記のコツ

中3で英検準1級に合格した高校生の勉強法が実践的だった