初の主演映画「Mr.マックスマン」の公開を控える俳優・千葉雄大さん。映画やドラマで活躍中だ。高校時代は目標が見えず、不安を抱えて過ごした時期もあったという。当時の自分を振り返り、現役高校生にエールを送る。(文・中田宗孝、写真・中村博之)

ドジなヒーローに共感して

「Mr.マックスマン」で悪に立ち向かうヒーローを演じる。だが、正義の味方らしからぬ、弱さが見どころだとか。「主人公はドジな三枚目で、ヒーローに変身しても決して強いとは言えません。それでも、周りの仲間に助けられながら一生懸命に奮闘する姿に、共感してもらえると思います」

母校をサプライズ訪問

8月末、千葉さんは母校である宮城県仙台第三高校の文化祭にサプライズ出演した。自身の卒業式以来の母校訪問。後輩生徒たちとの交流に感激した。

「僕のころは男子校だったのに、今は共学で校舎も新しくなり、当時の面影がまったくなかった(苦笑)。でも、在校生が僕を卒業生として温かく迎えてくれると、不思議と懐かしさが込み上げてくるものですね。自分たちの文化祭を盛り上げようと、皆さん活気があっていいなと思ったし、何より元気をもらいました!」

前向きな自分に変われた

自身の高校時代は、共通の音楽の趣味を持つ友人と意気投合し「放課後にCDショップ巡りやライブに行ったことが大切な思い出」と振り返る。
 「ただ、おとなしい性格で地味な学校生活でした。部活も入っていなかったし、将来の目標が思い浮かばずに漠然と不安を感じてネガティブに考えてしまう時期もあったんです」
 そんな10代の経験があるからこそ、今の高校生に伝えたいことがある。
 「毎日が退屈でも恋愛ができなくても焦ることはないんです。もしそれで悩んでいるなら『今が全てではないから大丈夫だよ』って言ってあげたい。大学からでも就職してからでも青春は取り戻せます。僕も高校卒業後に俳優を志し、あのころよりも前向きな自分に変わることができたから」

ちば・ゆうだい 1989年3月9日、宮城県生まれ。2010年に特撮ドラマ「天装戦隊ゴセイジャー」で俳優デビュー。映画「通学シリーズ 通学電車」(11月7日公開)、映画「黒崎くんの言いなりになんてならない」(16年2月27日公開)への出演が決定している。

「Mr.マックスマン」

幼いころはヒーローを夢見ていた谷口正義(千葉雄大)だったが、現実は失敗ばかりの落ちこぼれアナウンサー。片思いする幼なじみの辻村祐子(山本美月)との仲も進展しない。そんなある日、巨大隕石(いんせき)が落下した取材現場で、正義は不思議なパワーを授かる。10月17日から全国公開。配給・KATSU-do。