みなさんは友達と気軽に腕を組むなど、気軽に触れ合うタイプでしょうか。読者の高校生からLINE公式アカウント「高校生新聞編集部」「スキンシップの多い友達との関わり方」で悩んでいると相談が寄せられました。臨床心理士でスクールカウンセラーの大倉智徳さんにアドバイスしてもらいました。
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【お悩み】スキンシップの多い友達に戸惑い
私立の中学に通っています。私立なのでそれぞれ出身小学校が違い、知り合って2年目という人が大半です。私の周りの大勢は、中学から知り合った人たちと気軽に腕を組むなど、「スキンシップが多めな関わり方」をしています。
しかし私はもう少し慣れてから、腕を組むなどしたいです。それまで仲が良かった子でも、そういうことをされるとどうしても距離を置いてしまいます。私立だからしょうがないと割り切るしかないのでしょうか?(雪見だいふくちゃん・中学2年女子)
友達との距離感は人それぞれ
友達との距離感は人それぞれですので、お互いに尊重し合える付き合い方ができると一番良いですよね。雪見だいふくちゃんさんの周りにいる人たちは、スキンシップが多めな関わり方をしている人が大勢いるようですが、あなた以上にスキンシップが得意ではない人だっているはずです。少しでも状況を変えたいですよね。どうすると良いのか一緒に考えてみましょう。
「パーソナルスペース」に気を配る
雪見だいふくちゃんさんは、「パーソナルスペース」って知っていますか? これは他人が自分に近づいても不快に感じない範囲のことを言います。誰かがこの内側に侵入してくると、人は不快に感じたり落ち着かない気持ちになったりします。
その範囲が親しい人なら許せても、そこまで仲が良くない人だと、大きなストレスを抱えることになります。つまり友達付き合いは、パーソナルスペースにも気を配るとよいものなのです。人との距離だけでも気を配るものなのですから、スキンシップはそれ以上のものではないでしょうか?
自分の心地よい距離感を保って
なぜ、スキンシップをする人が大勢いるんでしょう? これはお話しを読んでいて思ったのですが、ひょっとすると周りの人達の中には、「わざとスキンシップを多くして、自分との関係をより親密にしたいと思っているのかも?」とよくない想像をしてしまいました。
仲の良い友達が多いと、学校生活も安心できるでしょうし、充実してくるのだろうなぁと思うと、なるべく親密な関係を多く作りたいと思うことも理解ができます。とはいえ、そこに黙って巻き込まれる必要はありません。あなたはあなたのスタンスで友達付き合いを保つことが大切です。
周囲の人の関わり方を参考に
私が気になったことは、あなたの周りにスキンシップをほとんど取らない人はいませんか? 1人か2人はいるはずですので、周りの人たちをよく観察してみましょう。
そんな人を見つけたら、その人はどのように友達と関わっているのかよく見てみましょう。「やめてよ」と直接言っているのか、雰囲気で示しているのか、何をするからスキンシップを取らずにいられるのかなど、その人の関わり方を参考にすることで、自分はどうすると良いのか見えてくることがあります。
例えば、勉強や運動をして「疲れたね」なんて話しているときに、自分の肩を揉みながら「私、人に触られるのは苦手なんだよね」と友達の前で口にしておくのも、スキンシップ対策になるかもしれません。色々試してみて、自分が落ち着いて付き合える友達との距離感を作ってくださいね。
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大倉智徳さん
おおくら・とものり 2002年からさまざまな公立高校でスクールカウンセラーを務める。現在は、小中学校などにも勤務