コロナ禍ですっかり定着したマスク生活。中高生の中には、マスクを外すことに不安を覚える方も多いのではないでしょうか。臨床心理士でスクールカウンセラーの大倉智徳さんに、読者の高校生からLINE公式アカウント「高校生新聞編集部」に寄せられた悩みに答えてもらいました。

【お悩み】笑顔になろうとするとうまく笑えない

私は笑顔になろうとすると顔が引きつってうまく笑えなかったり、長く笑顔を保とうとすると顔がピクピクしてしまったりすることがあります。コロナ禍以前にもありましたが、現在はマスク生活をしていることでマスクの安心感があり、外すとその状態があらわになってしまうことが心配で、マスクを付けていないと不安になります。最近ではマスクを付けていても、コロナ禍以前よりもその症状はひどくなっているように思います。

友達とちゃんと話せるか心配…

今後はマスク着用の緩和や卒業式、大学生活などを控えているため、友達とちゃんと話せるかどうか、最近は不安と心配が増しています。これは病気なのでしょうか。また、改善策を行えば治るのでしょうか。ぜひ教えていただきたいです。(ピーナッツ・高校2年女子)

常にあったマスクがなくなると…

新型コロナウイルスの感染防止で常にマスクをして過ごす生活から、日常の場ではマスクの着用を求められない生活になり、街角でもマスクなしの人を目にすることが多くなりました。みなさんはいま、マスクをどうしていますか?

マスク着用、どうしてる?

「マスクを外していい」と言われていますが、いままで常に顔にあったものがないと、どことなく心もとない気持ちになったり、人によっては「素顔を見せるのが恥ずかしい」と言っていたり、元々人付き合いが苦手なので表情を見せたくないと思ったりする人もいます。コロナ禍以前でも、そういった気持ちになるため、度なしメガネやマスクを常につけている方々とお会いした覚えがあります。

顔のストレッチで気持ちもほぐして

今回、ピーナッツさんのお話で「長く笑顔を保とうとする」ことや、「友達とちゃんと話せるかどうか」を心配することがありますね。恐らく友達と話をしているとき、「笑顔でなければいけない」という気持ちや、友達と話をしているときの自分の表情、相手が自分をどう見ているのかなどが気になっているのかなと思いました。このままでは友達との会話が楽しめませんね。

「友達と話しているときの自分」が気になるのかも

まず、生活の中で表情が引きつっていたり、顔が疲れていると感じたりしたときは、顔のストレッチをして顔と気持ちをほぐしませんか? 

ほぐし方ですが、まゆ、目、口など顔のパーツを、鼻にきゅっと力を入れて寄せてください。イメージとしては、すっぱいものを食べたときの顔を作る感じです。しっかりと寄せられたら、パッと顔の力を抜くことを何度か繰り返しましょう。最後は顔の力が抜けている感覚を味わってください。

その頃には顔が温まって、少しだけかもしれませんが、表情が緩んでいると思います。顔がゆるむと気持ちも緩んできますよ。一緒に身体もほぐしてみると良いかもしれませんね。

どんな人と友達になりたい?

私が一番気になったことですが、ピーナッツさんは今後、どんな人と友達になったり、いま友達とどんなことをして一緒に過ごして、どんな話題で盛り上がりたいですか? できればピーナッツさんが長く笑顔を保とうとするのではなく、友達と一緒にいると楽しくて、気が付いたら笑顔で過ごしていたらいいなと思ったからです。

友達に笑顔で接することも大切ですが、より楽しい時間や良い友達関係にするためにはどうすればよいか工夫することに、気持ちを向けてもらえればと思っています。

 

大倉智徳さん

おおくら・とものり 2002年からさまざまな公立高校でスクールカウンセラーを務める。現在は、小中学校などにも勤務

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