地方に住んでいる高校生にとって、都市圏の大学のオープンキャンパスに参加することは費用の面でも負担が大きい。負担を抑えつつ、大学に関する情報収集を進めるにはどうすればよいのか。進路指導アドバイザーの倉部史記さんに聞いた。(安永美穂)
第一志望大「一度は」訪問を
―遠方の大学を見に行く場合、おすすめのタイミングはありますか?
地方在住で都市圏のオープンキャンパスに何回も参加することが難しい場合は、3年生の時点で1回だけでもやむを得ないと思います。ですが、第一志望の大学には足を運んでみることをおすすめします。
―総合型選抜など「年内入試」を考えている場合、いつまでに参加するべきでしょうか?
総合型選抜での受験を考えている人は、3年生の夏にオープンキャンパスに参加するのでは志望理由書の内容を練る時間が確保できないおそれもあります。遅くとも3年生の春までに参加しておくとよいでしょう。
近隣大学に行くだけでも違う
―志望校の来場型オープンキャンパスにどうしても参加できない場合は?
志望校以外の近隣の大学のオープンキャンパスに参加してみると、「大学を見る目」を養うことができます。自分が大学に望むものが見えてきたら、それらの要素を兼ね備えているかという視点から志望校のことをチェックしてみましょう。
―訪問する以外の方法はありますか?
現在はオンラインで参加できるオープンキャンパスもあり、チャット機能などを活用して双方向でのやり取りができる企画も充実しています。遠方の大学の場合は、まずはオンライン型から参加してみるのもおすすめです。
また、資格試験や専門職の合格率などのデータは、大学をランキングづけして紹介した記事や各大学のウェブサイトでも確認できるので、それらも活用しながら情報収集を進めていきましょう。
倉部史記(くらべ・しき)さん
進路指導アドバイザー、高大共創コーディネーター。追手門学院大学客員教授。高校生の「ミスマッチのない志望校選び」を支援するために、全国の高校での進路講演や高校・大学の教職員向け研修などを行う。