文系の中でも人気の高い商学部。多くに人が進学しているが、向いているのはどんな人なのだろうか? 明治大学商学部長の中林真理子先生に聞いた。(野口涼)
新商品に興味を持てる人に向いている
―商学部に向いている高校生の特徴はありますか?
考え方が柔軟で、好奇心旺盛な人に向いていると思います。例えば、コンビニで新商品を見つけたとき「どうしてこういう新商品が出てきたんだろう」と興味を持ち、面白みを感じるタイプの人ですね。今考えると私自身もそういう高校生だったように思います。
私が学生時代の頃に「カルピスウォーター」が商品化されたのですが、発売当初は「カルピスを最初から水で薄めてあるだけなのになんで売れるんだろう」とすごく不思議でした。でも、飲むとおいしい。「自分で作ったカルピスでは出せない味を出すための技術や保存の仕方があるのだろう」と、学生ながらに思いました。気になることがある場面で「なぜだろう」と深掘りしたくなる人というのが商学部には向いているのではないでしょうか。
数学はしっかり勉強して
―商学部志望の高校生が、高校時代にやるべきことを教えてください。
理系科目や受験に関係のない科目にも、幅広く興味を持ってください。特に数学は、大学での研究にデータサイエンスを生かす際に使います。しっかり勉強しておいていただきたいです。
―中林先生が思う商学の魅力とは何でしょうか?
普段の消費をはじめ、あらゆる面で生活に密着しているところだと思います。言い方を変えると、スポーツやファッションなど高校生の皆さんの身近にあるもの、好きなものととても結びつけやすい学問なんです。商学を学べば、私たちの生活が大きなダイナミズム(活力)をもって市場を動かしているのを実感できるようになります。
中林真理子(なかばやし・まりこ)
1968年東京都出身 。小石川高校卒、明治大学商学部卒、同大学院博士課程修了。博士(商学)。専門は保険、リスクマネジメント。研究テーマは「企業のリスクとしての倫理的課題についての考察」。主な著書に『リスクマネジメントと企業倫理―パーソナルハザードをめぐって』(単著、千倉書房)など。2023年4月より明治大学商学部長。