地域の歴史や地理、史跡、文化財、文学、人物について調べまとめ、そのレポートを審査する「第16回全国高校生歴史フォーラム」(主催・奈良大学、奈良県)の結果が昨年10月に発表された。全国62校から78編のレポートの応募があり、その中から優秀賞5編、佳作5編が選ばれた。(敬称略)

【優秀賞・学長賞】

  • 「甲斐国内の扇状地における居館と詰城の地理的関係」片岡義秀(東京・成城高校2年)
戦国時代の甲斐国における居館と詰城との距離が他地域よりも大きい傾向にあることを示し、その理由を当地域の地形との関係で考察した。

【優秀賞・知事賞】

  • 「明治期における赤痢流行への対応―「伝染病赤痢仮離隔病舎日誌」から―」歴史研究部髙橋一星・朝倉亮太(神奈川・足柄高校3年)
先行研究を踏まえ、明治期における感染症対策に対する時代背景を論じた上で、神奈川県足柄市斑目地区の赤痢対策が記載されている明治32年の「伝染病赤痢仮離隔病舎日誌」を検証した。

【優秀賞】

「引っ越し大名の財政苦労譚~藩日記から読み解く松平大和守家の窮乏財政~」嵩玲衣(東京・東京大学教育学部附属中等教育学校6年)

「日本における男色文化の盛衰と伊達政宗―LGBTQ+に寛容な現代社会の形成につなげる古の失われし文化―」田中裕真(岐阜・多治見高校2年)

「「神宿る島」壱岐の信仰について~歴史的変遷と特異性~」東アジア歴史・中国語コース2年歴史学専攻 加藤紅葉・服部龍馬・山本拓真(長崎・壱岐高校2年)

【佳作】

「深輪村のれきし ー『宗旨御改帳』にみる177年の記録ー」社会歴史研究部 石川結穂・野原葉乃・中西咲耶(埼玉・昌平高校2年)

「有吉城はどこにあるのか」山上春香(千葉・千葉高校2年)

「翻訳を通じた近代日本の西洋思想の受容の実態」赤石楽子(東京・國學院高校3年)

「琵琶湖水上交通から考える大津城の豊臣政権における役割」山崎敬幸(滋賀・膳所高校3年)

「青谷上寺地遺跡出土人骨の考察―殺傷された少女人骨の問いかけるもの―」青谷学Ⅱ(文学史コース)山根明日美・中瀬佳奈実・前柚妃・小椋菜々穂・狩野美久・須山美優(鳥取・青谷高校3年)