東京工業大は11月10日、学部(学士課程)1年生の14%にあたる143人を、女性のみが出願できる「女子枠」として募集すると発表した。2024年度入試、25年度入試の学校推薦型選抜(旧推薦入試)、総合型選抜(旧AO入試)で順次導入する。
東工大の学士課程の学生のうち女子の比率は約13%。今回の入試改革によって6つの学院(学部に相当)で女子比率が20%以上になると見込んでおり、「女子学生比率の向上を飛躍的に加速させる」としている。
24年度入学者対象の学校推薦型選抜・総合型選抜から4学院(物質理工学院、情報理工学院、環境・社会理工学院、生命理工学院)で58人の女子枠を設ける。25年度入試では残り2学院(理学院・工学院)で85人の女子枠をつくる。一般選抜では女子枠は設けず、募集人数を現在の930人から801人に減らす。募集人数の合計は変わらない。
10日に記者会見した益一哉学長は「女性は理系に向かないといったアンコンシャスバイアス(無意識の偏見・思い込み)がある。日本の将来の科学技術の発展には女性の活躍が必須と考えた。社会全体に、真に多様性を受容する環境が育つことを期待したい」と目的を話した。
東工大は、東京医科歯科大と2024年度中に統合することを目指しているが、今回の入試改革は統合とは別に検討してきたという。両大は統合時に、学部の枠組みや入試に関する大きな変更はしない方針を強調しており、「女子枠」は新大学でも維持されるとみられる。