東京大学は2025年3月10日、一般選抜の合格者を発表した。8421人が志願し、2997人が合格した。合格者のうち女性は598人で20.0%だった。(西健太郎)

女性は文科三類が39.2%、理科一類は8.5%

東大は文科・理科それぞれ3つの科類ごとに募集した。2月25・26日に筆記試験(440点満点)を行い、理科三類は27日に面接試験も行った。大学入学共通テストの成績を110点満点に換算し、550点満点で合否を決めた。

合格者のうち女性の比率は20.0%で、昨年より0.6ポイント上がった。科類別では文科一類が28.3%、文科二類が20.7%、文科三類が39.2%、理科一類が8.5%、理科二類が20.2%、理科三類が20.4%。法学部などに進む文科一類や文学部などに進む文科三類で女性が比較的多い反面、工学部などに進む理科一類の少なさが目立つ。志願者に占める女性の割合は23.3%で、過去最高だったという。

現役生は上昇74.5%、東京出身者は34.7%

合格者のうち、今春高校などを卒業する現役生の比率は74.5%で昨年より1.2ポイント上がった。20年は67.2%だったが21年以降は70%を超え、増加傾向だ。昨年高校などを卒業した一浪生は22.4%だった。

合格者の高校所在地は東京が35.8%、関東(東京以外)が25.9%、近畿が12.0%など、東京や関東の比率が昨年よりやや上昇した。外国籍の合格者は52人だった。

合格最低点は文科一類336.3点、理科三類368.7点

問題は、文科と理科それぞれで共通だが、科類ごとに採点基準が異なる可能性があり、単純比較はできないが、合格最低点は文科一類が約336.3点、文科二類が約332.2点、文科三類が約321.9点、理科一類が321.0点、理科二類が約313.2点、理科三類が約368.7点。

外国学校卒業生は36人合格

外国学校卒業生特別選考の発表も3月10日にあり、私費留学生(一種)は22人、帰国生(二種)は14人、合計36人が合格した。

一般選抜、2月に合格発表があった学校推薦型選抜、外国学校卒業生特別選考も含めた合格者全体に占める女性の比率は21.3%だった。

「学生の多様性確保へ推薦、総合型も含めて議論」

学生の女性比率の増加に関連して藤垣裕子理事・副学長は「(比率の増減に)一喜一憂せず、女子学生増加のための取り組みを進める。学生の多様性確保のためには女子学生、地方出身者も重要だが、外国学生も含めて入試全体で多様性を高めることが必要。女子学生に限定した選抜に限らず、推薦、総合型選抜、一般選抜(のあり方)を含めて入試の多様化を議論している」と学内の検討状況を説明した。