数多くの映像作品で主演を務めてきた人気女優の杉咲花さんに、高校生記者がインタビュー。高校生たちから寄せられた、「受験勉強していると落ち込んでつらい」という切実な悩みに、自身のエピソードを交えながら答えてくれました。(取材·山田悠樹=高校生記者、構成·中田宗孝、写真·渡辺秀之)

自分自身をあきらめないで

―高校生からの質問です。「今、受験生なのですが、気持ちのアップダウンが激しく、最近は落ち込む方が多いんです。マイナスな気持ちになったとき、前向きに頑張るために杉咲さんはどんなことをしていますか?」

そういった心理状況のときって、誰かに助けを求めてたり、背中を押して欲しいような気持ちになったりすることがありますよね。

杉咲花さん(スタイリスト:小嶋智子、ヘアメーク:小澤麻衣(mod’s hair))

ですがそんなときこそ、私は自分を信じることを大切にするように心がけています。「できる、大丈夫」と鼓舞しながら、自分自身に対してあきらめない心を持つことが大事なのではないかなと。

少しの時間でもいいから、今、自分が手の届く範囲のことを頑張ってみる。そうしていると、思わぬタイミングで誰かがそっと背中を押してくれることもあったりして。ですが本当に気持ちの限界を感じてしまいそうな時は、一度目の前のことを手放して好きなことにのめり込む時間をあえて作ることも大事だったりしますよね。

―気持ちの切り替えも必要ということですね。

心の休息はとても大切だと思います。私の場合は、お菓子を食べたり、音楽を聞いたり、映画を観たり。そして「休んだからいける!」と、改めてやるべきことに向かうことでしっかり集中できることってあると思います。

キャラの画像見て声を想像

―杉咲さんが小学生の悠真役の声を担当する劇場アニメ「ぼくらのよあけ」は、近未来を描いたSF作品。主人公の声をどのように作りあげましたか。

アフレコ収録の前に悠真のキャラクター画像をいただいていたので、それを見ながら人物像や声について想像をしていました。

劇場アニメ「ぼくらのよあけ」より

監督からは「(声の細かい)技術ではなく気持ちを込めてやってもらえたら」と伝えていただいていたんです。その言葉にとても救われました。

―今作のアフレコ中に印象に残ったエピソードを教えてください。

私の演じる悠真の側には、いつも人工知能搭載家庭用ロボットの「ナナコ」がいます。劇中では、悠真とナナコが絡むシーンが多く、アフレコでは実際にナナコ役の悠木碧さんと収録に臨みました。同時に収録させていただけるからこそ感じられる温度感があり、とても心を動かされながら演じることができました。

【取材後記】自分を信じる大切さを感じた

杉咲さんと高校生記者

杉咲さんの放つオーラに終始圧倒されました。質問にも真剣に悩みながら、言葉を選びながら答えてくださって、そういった姿に今の活躍の理由があるのかなと思いました。

今回の取材で印象に残った杉咲さんの言葉は、「自分を信じる」です。活躍の場が多岐にわたり、どんな役柄も演じられる杉咲さんは、緊張とは無縁なのかなと僕は勝手に思っていました。

実は緊張されているとお聞きし、意外だったのですが、緊張されているように見えない背景には「自分を信じる」心があるんだなと納得しました。(高校生記者·山田悠樹)

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高校生新聞編集部LINE公式アカウントとお友達になってから、「杉咲花さん色紙希望」と明記の上、「学校名·学年·性別·記事の感想」をメッセージに書いて送ってね。応募資格は高校生·中学生に限ります。12月31日締切。当選者には編集部からメッセージでお知らせします。

すぎさき·はな 1997年10月2日生まれ。東京都出身。2020年、NHK連続テレビ小説「おちょやん」でヒロインを演じる。主な出演作は、映画「湯を沸かすほどの熱い愛」、ドラマ「プリズム」など。

「ぼくらのよあけ」

2049年の夏。小学4年生の悠真(声:杉咲花)は、地球に大接近するという彗星に夢中になっていた。そんなある日、悠真の家で働く人工知能搭載型家庭用ロボットのナナコ(声:悠木碧)が未知の存在にハッキングされてしまう。悠真たちは、「二月の黎明号」(声:朴璐美)と名乗る、未知の存在から、とある極秘ミッションを依頼される。

配給:ギャガ/エイベックス·ピクチャーズ。10月21日(金)全国公開。(C)今井哲也・講談社/2022「ぼくらのよあけ」製作委員会