確かな演技力と明るいキャラクターで幅広い世代から人気を集める女優の橋本環奈さんに、高校生から寄せられた「周りを笑顔にしたい」「自分に自信を持ちたい」といった相談に乗ってもらいました。(取材・文・中田宗孝、写真・西村満)

面白いって言われたい

―高校生からの質問です。「テレビ番組などでの橋本さんのトークが面白くて、私も楽しい気持ちになります。どうしたら、橋本さんのようにみんなを笑顔にできる自分になれますか」

あはは(笑)。とっても嬉しいですね、ありがとうございます。普段の私は笑いを取りにいくタイプなので、かわいいと言われるより面白いって言われた方が嬉しいんです(笑)!

橋本環奈さん(スタイリスト:Hideo Suzue(H)、ヘアメーク:Junko Morimoto(GON.))

人にはさまざまな個性があって、口数が少ないタイプでもまわりを笑顔にさせる人もいますよね。一言ぼそっと言って笑いをかっさらうとか。質問をくれた高校生はどんな方なんだろう?

……そうですね、一歩踏み込んで人との距離を縮める意識が大事かも知れません。私は目上の先輩と接するときも距離を取りすぎないようにしています。

敬意や尊敬心は忘れないけれども、親しみを感じてもらえる近しい距離でコミュニケーションを取るんです。すると笑顔が生まれやすい空間になります。距離が近すぎて相手によっては嫌がれる可能性も考えられますが、それを怖れない自分の心持ちもポイントです。

情熱を注いでいた自分を思い出して

―続いて、「私は部活でマネジャーをしているのですが、ミスが多くて自分は向いていないと思うことがあります。どうしたら自分に自信を持てますか?」

失敗してもその後の対応がきちんとできたなら、失敗は変わっていくと思う。もし同じミスを繰り返してしまっても、大事なのはリカバリーです。

ミスの中には、自分の力だけではどうにもならなかったこともきっとあったはず。でも、この高校生の方は自信を持ちたいと思っていて、マネジャーを辞める選択肢は考えていない。その姿勢が素敵で、マネジャーの役割に誇りと熱量を持ってると感じるし、そこに関しては自信を持ってください。

一度立ち止まって、初心に返ってみましょう。なんで自分はマネジャーをやりたかったのか、どれだけの情熱を注ごうと思っていたのか振り返ってみる。当時の気持ちを思い出して、強い気持ちを取り戻しましょう。

私は、インタビューなどで自分のことを話す機会が多々あって、その度に自分を客観視できるんです。自分の考えを人に話したり、文章化したりすると、頭の中を整理できる。自信を持つためには、それも大事だと思う。

 

演技は常に全力で

―映画『バイオレンスアクション』で、アルバイトで殺し屋を請け負う女の子を演じています。橋本さんは、多くの作品に出演を重ねていますが、新たな作品に挑戦する際、役づくりや演技に関する自身の課題を設けて撮影に臨んでいるのでしょうか。

役者として成長するために撮影現場に入るのではなく、一つの現場、現場で、自分の最大限の力を出すことに全力を注ぎます。その中で結果として成長するかも知れませんが、最初から自らの成長を狙っていくことはありません。成長って、経験とともに育まれていくものだと思う。

今作での私の役柄は、“ゆるふわヒットガール”がポイントだと考え、殺し屋ではなく、普通の女子学生、ありきたりな女の子というのを意識しながら演技をしていたんです。撮影中は「うまくできないな」「思うようにいかないな」と感じる日もありました。

一方で、演技中に「今、ハマった!」「あっ、役をつかめた!」という瞬間がふいにおとずれるんですね。今作でもありました。そんなときが、役者の仕事をしていてもっとも楽しいと思う瞬間なんです。

―監督とはどんなやりとりをしましたか。

もちろん、シーンごとにお芝居についてのやりとりをしていますが、実は監督とは雑談することの方が多いんです。私はどんなジャンルの作品の撮影現場でも、楽しく過ごしたいなと思っていて、賑やかな雰囲気が好き。スタッフの誰もが楽しい現場だと感じる雰囲気づくりも大事だなって。アクション以外にもコメディ要素も強い今作ですから、撮影中は楽しい雰囲気でいたいと思っていました。今作の監督は関西圏出身なこともあって、たくさん楽しくおしゃべりしましたね(笑)。

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高校生新聞編集部LINE公式アカウントとお友達になってから、「橋本さん色紙希望」と明記の上、「学校名・学年・性別・記事の感想」をメッセージに書いて送ってね。応募資格は高校生・中学生に限ります。10月31日締切。当選者には編集部からメッセージでお知らせします。

はしもと・かんな 1999年2月3日生まれ。福岡県出身。2011年に女優デビュー。2016年、映画「セーラー服と機関銃-卒業-」で映画初主演を飾る。主な出演作は、映画「銀魂」シリーズ、「キングダム」シリーズ、「かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~」シリーズなど。初舞台「千と千尋の神隠し」では主演(ダブルキャスト)を務めた。10月14日には、主演映画「カラダ探し」の公開を控える。

『バイオレンスアクション』

ピンク色のボブがトレードマークのケイ(橋本環奈)は、日商簿記検定2級合格を目指す、ごく普通の専門学校生。一方、彼女は凄腕の殺し屋でアルバイトをする別の顔を持っていた。巨大なヤクザ組織の抗争へと巻き込まれていく中、心惹かれていた青年テラノ(杉野遥亮)がケイの次のターゲットになってしまう。配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント。8月19日(金)より全国公開。

(C)浅井蓮次・沢田 新・小学館/『バイオレンスアクション』製作委員会