確かな演技力と明るいキャラクターで幅広い世代から人気を集める女優の橋本環奈さんに、高校生から寄せられた相談に乗ってもらいました。「緊張を克服したい」「やりたいことが見つからない」といった相談内容から高校生一人一人の顔を想像し、丁寧に答えてくれました。(取材・文・中田宗孝、写真・西村満)

緊張は悪いことじゃない

―高校生からの質問です。「私はよく人前で緊張してしまいやすく、声が震えたり、頭が真っ白になってしまいます。橋本さんは緊張をどう乗り越えていますか?」

まず伝えたいのは、緊張は決して悪いことではないということ。大勢の前で自分の持てる力を精一杯出したいと、真摯に考えてるからこそ緊張します。(相談者は)優しい人柄だと思います。

橋本環奈さん(スタイリスト:Hideo Suzue(H)、ヘアメーク:Junko Morimoto(GON.))

私自身はどんな場面でも全然緊張しないタイプなんです。ですが、お仕事中に程よい緊張感を持つことは、自分のパフォーマンスの向上に繋がるし、すごく大事だと考えています。だから私は、意識的に緊張感が増すように自分を追い込む。いい緊張感を保ちそれを楽しむようにしています。

「すごく緊張しい」な方は、緊張をなくそう、ゼロにしようと焦るのではなく、緊張とどれだけ共存できるか考えてみてください。深呼吸して気持ちを整えるとか、人前に慣れるようにするといった、緊張していても普段のパフォーマンスができるメンタルコントロールを身につけ緊張する場を晴れの舞台と捉え楽しみましょう。

―続いて、「高3になって自分のやりたいことがよく分からなくなってしまいました。やりたいことの見つけ方についてアドバイスがほしいです」。

高校3年生でやりたいことを明確に見つけている人は少ないと思うので、焦らなくても大丈夫。大人でも新しいことを始めるのは難しく、労力や時間が、場合によってはお金もかかるかも知れません。とはいえ、何もしないと現状を変えられないので、何かを始めてみる姿勢は大事。

ちょっとでも良いのでSNSで自分が興味あること、大学で勉強してみたいこと、将来目指している仕事の内容などを調べてみるのはどうでしょうか。すごく小さな糸口から自分のやりたいことにつながる発見がきっとあるはず。そして、好奇心を持ち続ける気持ちがとても大切です。やりたいことが分からない今、それでも好奇心を忘れないで。

 

アクションのかっこよさを追求

―主演映画『バイオレンスアクション』で、アルバイトで殺し屋を請け負う女の子を演じます。格闘や銃を使った激しいアクション演技にたくさん挑戦していますね。

体を回転させながら銃を撃ったり、空中で狙撃したりと、今作は“ガンアクション”も多かった印象があります。アクション演技をするとき私が意識するのは、どれだけカッコよく見せられるか。アクション演技の一連の流れを覚えていても、自分の中で動きのイメトレがしっかり出来ていたとしても、本番でカッコよくなるかはまた別なんですね。そこにアクション演技の難しさがあるんです。

今作でもアクション指導のスタッフの方と一緒に、カッコいいアクションを目指しました。なかでも「(城田優演じる)みちたかくん」とのアクションは、バトルを重ねるたびにヒートアップしていくので、ぜひ注目してください。

―役づくりはどのように取り組んだのでしょうか。

私は撮影現場に立ったときの雰囲気で自分の役柄や演技を感じ取るタイプなんです。もちろん事前に台本を読みながら「このシーンではこんな演技が考えられるな」「こんなパターンの演技も求められるかもな」といったことをフワッとイメージして撮影に入ります。ですが、大切にするのは現場での感覚的なモノ。それに自分の演技プラン以上に、監督の考えや決断を優先したいと思っているんです。

橋本環奈さんのサイン色紙を1人にプレゼント! 

高校生新聞編集部LINE公式アカウントとお友達になってから、「橋本さん色紙希望」と明記の上、「学校名・学年・性別・記事の感想」をメッセージに書いて送ってね。応募資格は高校生・中学生に限ります。10月31日締切。当選者には編集部からメッセージでお知らせします。

はしもと・かんな 1999年2月3日生まれ。福岡県出身。2011年に女優デビュー。2016年、映画「セーラー服と機関銃-卒業-」で映画初主演を飾る。主な出演作は、映画「銀魂」シリーズ、「キングダム」シリーズ、「かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~」シリーズなど。初舞台「千と千尋の神隠し」では主演(ダブルキャスト)を務めた。10月14日には、主演映画「カラダ探し」の公開を控える。

『バイオレンスアクション』

ピンク色のボブがトレードマークのケイ(橋本環奈)は、日商簿記検定2級合格を目指す、ごく普通の専門学校生。一方、彼女は凄腕の殺し屋でアルバイトをする別の顔を持っていた。巨大なヤクザ組織の抗争へと巻き込まれていく中、心惹かれていた青年テラノ(杉野遥亮)がケイの次のターゲットになってしまう。配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント。8月19日(金)より全国公開。(C)浅井蓮次・沢田 新・小学館/『バイオレンスアクション』製作委員会