日本大学の新しい理事長に7月1日、同大芸術学部出身の作家・林真理子さんが就任した。昨年、当時の理事長が脱税事件で逮捕されるなどの不祥事に揺れたが、学長と全理事も交代。新体制で「新しい日大」を目指すという。

日本大学の林真理子・新理事長。記者会見で、自身が考えたキャッチコピー「新しい日本大学 N・N」を掲げた

記者会見した林理事長は、「新しい日本大学」を目指すため、学生、教職員、卒業生らを入れた委員会をつくる考えを示した。「受験生にとっても在校生にとっても社会にとっても必ず魅力的なものになると確信している」と語り、「志願者を3年後には1位にしたい」と目標を掲げた(予備校の集計によると2022年は7位)。

日大の運営にあたる理事会には、これまで女性が1人もいなかったが、新体制では理事22人のうち女性が9人を占めた。林理事長は「会議に男性ばかりがずらっと並ぶのを変えたい。女性がいると、いろんな意見が出て、風通しがよくなる」と話した。

日本大学の酒井健夫・新学長

日大は、不祥事の影響で国の助成金を受けられない状態になっているが、林理事長は学費値上げは考えていないとし、「本学は奨学金が充実している」と強調した。

同日就任した酒井健夫・新学長は、2008年から11年まで同大総長を務めて以来の大学執行部への復帰。同大の理念である「自主創造」の伝統を重視し、ITを活用するなどして学生支援や教育の充実を図る方針を語った。