女優として活躍する本田望結さん。現役高校生であり、フィギュアスケーターとしても精力的に活動を続けています。同世代からの「勉強と部活の両立がつらい」「努力しても結果が出ない」という相談に、熱いメッセージで答えてくれました。(文・中田宗孝、写真・幡原裕治)

時間はないようで「たくさんある!」

―本田さんと同世代の高校生から届いた質問にお答えください。「勉強や部活、そして行事が重なると、忙しくてつらくなるときがあります。学校生活と芸能活動との両立のみならず、フィギュアスケーターとして練習にも励む本田さんは、時間の使い方をどう工夫していますか?」

時間はないようでたくさんある。「時間がないから…」という言い訳をしない。私はこの2つを意識して毎日過ごしています。

本田望結さん(スタイリスト:田中トモコ(HIKORA)、ヘアメイク:牧野裕大(vierge)、衣装協力:ailéFanM、貼るだけピアス Leange、AGU、お世話や)

挑戦したいことがあるのに行動が伴わないとしたら、もしかしたら、本心ではあまりやりたくないのかもしれない。自分の中で「出来ない言い訳」が思いついてしまうのは、それは自分にとってあまり必要じゃないのかも。

自分が本気で頑張りたいと思うことだったら、自然と時間を作って打ち込めると思います。私はそのように考えて、就寝するまで、常に何かに没頭しています。実は、幼いころからぼーっと過ごす方が苦手なんです(笑)

努力した時間は無駄にならない

―続いての質問です。「努力しても結果が伴わないな…と感じた経験があります。そんなとき、どうすれば目標を見失わずにいられると思いますか?」

自分がそれだけ夢中になるモノに出会えて、努力をし続けた時間は決して無駄な経験にはなりません。

私自身、特にフィギュアスケートの世界では悔しい思いをする方が断然多いです。「練習で出来ていたことが、どうして本番で出来ないんだろう…」とか、スポーツに打ち込んでいる高校生なら誰でも感じたことがあるのではないでしょうか。

 

でも私は、あきらめずに続けていたら必ず何かが得られる、見えてくるモノがあると自分に強く言い聞かせながら競技を続けています。絶対にあきらめないで、努力を続けて欲しいです。

「本田望結」が消える演技を

―ホラー映画「きさらぎ駅」では、等身大の女子高生役を演じています。

しっかりした性格の女子高生ではあるんですけど、登場人物の中でもっとも最年少なんです。なので、誰よりも一番怯えていたり怖がっていたり、大人っぽくなりすぎないというのは役割として大事だと思いながら演じていました。

そして、私が演じるキャラクターは“本田望結”ではありません。観客の方にも、本田望結とは思われないようにとは意識して撮影に臨んでいました。

映画「きさらぎ駅」より

―「“本田望結”を意識させない演技」。この考え方について詳しく教えてください。

“本田望結”の素の部分が残っていると良いお芝居はできない、と私は考えています。今回はホラー映画に出演していますが、普段の私は怪談話や暗いところも苦手なんです。でもお芝居のスイッチが入れば、そういう私的な感情は絶対に出さない。

私ではない人になるのがお芝居の一番の魅力ですし、これからずっと向き合っていく課題だと感じているんです。私の出演作を見ていただける方が、始めは「本田望結が出てる」と思ったとしても、物語が進むにつれて、本田望結が消えるような演技をするのが理想です。

本田望結さんのサイン色紙を1人にプレゼント! 

高校生新聞編集部LINE公式アカウントとお友達になってから、「本田さん色紙希望」と明記の上、「学校名・学年・性別・記事の感想」をメッセージに書いて送ってね。応募資格は高校生・中学生に限ります。9月30日締切。当選者には編集部からメッセージでお知らせします。

ほんだ・みゆ 2004年6月1日生まれ。京都府出身。子役として芸能活動を始め、2011年に出演したドラマ「家政婦のミタ」で大きな注目を集める。女優に加え、フィギュアスケーターとしても活躍。主な出演作は、映画「ポプラの秋」「母と暮せば」など。

「きさらぎ駅」

大学で民俗学を専攻する堤春奈(恒松祐里)は、卒業論文の題材に“神隠し”を選んだ。そして彼女は、ある神隠し体験をしたという葉山純子(佐藤江梨子)のもとを訪ね、当時の出来事を聞くことに。純子は、高校生の宮崎明日香(本田望結)らとともに、この世に存在しないはずの「きさらぎ駅」に降り立ったときの恐怖体験を語り始め……。配給:イオンエンターテイメント/ナカチカ。6月3日(金)より全国公開。

(C)2022 「きさらぎ駅」製作委員会