高校生記者からのインタビューに俳優の神尾楓珠さんが答えてくれました。勉強と恋愛の両立や、目標を志すモチベーションの低下など高校生の悩みに前向きなメッセージを届けてくれました。(取材・高校生記者・手塚つむぎ=3年、文・中田宗孝、写真・幡原裕治)

高校生の時にしかできない恋愛がある

受験勉強において『恋愛は邪念だ!』と言われることがあります。神尾さんは受験生が恋愛しても良いと思いますか?

恋愛はするべきですよ。高校生のときでしか出来ない恋愛だってあると思うし、恋愛中だからこそ受験勉強も頑張れるはずなので、きっと両立できます。僕は…どうだったかな(笑)。言えるのは、僕は恋愛しているからこそ、勉強も頑張るタイプですね。

神尾楓珠さん(スタイリスト:杉本学子(WHITNEY)、ヘアメーク:菅井彩佳)

高校生から相談が届いています。「勉強や部活、自分が打ち込んでいるモノへのモチベーションが保てなくて、頑張る理由を見失いそうになります。神尾さんは、頑張る気持ちの原動力になっているモノはありますか?」

祖父の存在ですね。僕自身、おじいちゃん子だし、自分がテレビに出ていると祖父はとても喜んでくれるのを知っています。「何でこの仕事してるんだろう…」と、モチベーションが下がった経験は何度もあります。でも、祖父のことを考えると頑張れるんです。みなさんも、モチベーションを保てなくなったときは、自分を応援してくれる誰かのことを思い浮かべると、頑張れると思います。

おじいちゃん子だという神尾さん

トロンボーンの演奏に挑戦

主演映画「20歳のソウル」の劇中で、吹奏楽部のトロンボーン演奏を披露しています。

撮影前に楽器の先生に教わりながら約2カ月間、練習したんですが…難しかったですね(苦笑)。(トロンボーンの)スライド管を瞬時に動かすのは大変でしたし、口の形や息の量で音の高低を調節するんですが、これがなかなか上手にできなくて…。撮影中も吹奏楽部員に教えてもらいながら演奏しました。

市立船橋高校吹奏楽部の応援曲「市船soul」(浅野大義作曲)を演奏した感想は?

頑張っている人を応援したいという気持ちで作られた、情熱的な楽曲なので、演奏しながら僕も気持ちが熱くなるのを感じました。

物語の中では、広い野球場の観客席から「市船soul」を演奏するシーンがあったのですが、演奏中の気持ち良さ、開放感は格別でしたね。音楽室で演奏するのと、音の聞こえ方が全然違うんです。

高校野球の応援では、各校吹奏楽部のオリジナル楽曲もあるそうなので、今後注目していきたいなと思いました。

映画「20歳のソウル」より。神尾さんは吹奏楽部員を演じた

物語では、男子高校生らしい日常も描かれていました。

学校のシーンは、演じていてもすごく楽しかったですね。かつて男子生徒であったなら誰しも経験してきた、先生や女子に怒られるシーンなんて、自分の高校時代を思い出して、すごく懐かしさを感じました。僕にもあるんですよ、文化祭の準備をサボったり、合唱コンクールの練習で全然声を出さなかったりして、女子たちに怒られたことが(笑)

かみお・ふうじゅ

1999年1月21日生まれ。東京都出身。2015 年に俳優デビュー。主な出演作は、ドラマ「3 年A組―今から皆さんは、人質です―」「顔だけ先生」、映画「うちの執事が言うことには」「彼女が好きなものは」ほか多数。主演を務めた映画「恋は光」の公開を6月17日に控える。

【取材後記】今を見つめて生きる姿に感銘

表舞台の最前線に立っていらっしゃる神尾さん。初めてお会いして、神尾さんの放つオーラと、どこか落ち着いた空気感に圧倒されました。話を伺っていくなかで、そう感じたワケがわかったような気がします。

受験生の恋愛について伺った際の、「絶対した方がいいですよ。その時にしかできないことって絶対あるから」という言葉。そして落ち込んだ時の気持ちの切り替え方について伺った際の「うまくいかなかったなと思うことは僕もあるけど、それがその時の全てだと思います。実力がうまく発揮できなかったんじゃなくてそれが自分のその時の持っている実力の全てだと」という言葉から、神尾さんは常に今をしっかり見つめて生きている方なのではないかと感じました。

私は大学受験や将来への漠然とした不安で「どうしよう…」という気持ちで毎日過ごしていました。神尾さんの言葉から、自分が今見ている景色を大切に、そして今を一生懸命に生きていこうと思えました。そうしたら必然的に未来が見えてくるのだと神尾さんの言葉から気付けたのです。神尾さんの今と未来を見据えた目がとても輝いて見えました。(高校生記者・手塚つむぎ)

神尾さんと高校生記者(左)

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「20歳のソウル」

市立船橋高校吹奏楽部のトロボーン奏者の浅野大義(神尾楓珠)は、甲子園を目指す野球部のために、オリジナル応援曲「市船soul」を作曲する。吹奏楽部がスタンドから演奏する「市船soul」は、やがて勝利を招く“神応援曲”と呼ばれるようになった。卒業後、大義は、尊敬する吹奏楽部顧問の高橋先生(佐藤浩市)のような教師を志して音大へと進学。だが、大義の体を病魔がむしばみ……。配給:日活。5月27日より全国公開。

(C)2022「20 歳のソウル」製作委員会