高校3年間は、過ごし方や選択で将来が大きく変わってしまう大事な時期。「勉強がうまくいかない」「進路が決まらない」など、悩みが尽きないでしょう。20歳で学習塾を創業し、4000人以上の生徒を直接指導してきた石田勝紀さんに、読者からの勉強や進路に関わるお悩み相談に答えてもらいました。

【お悩み】授業に寝ないで集中できる人、できない人の違いは?

私の学校では「授業中寝たい人は勝手に寝とけ」という雰囲気で、先生はやる気のある生徒だけを見る感じです。私はしっかりと全て聞き漏らさずに先生の授業を聞きたいのですが、ちょっとだけカクッって……ほんのちょっと意識が飛んじゃったりして……。うとうとして集中できないときがあります。

授業中にうとうと寝ないで集中するには?(写真はイメージ)

ですが、周りを見ると授業中に全く寝落ちしない、すごい人がいるんです。授業中にうとうと寝ないで、ずっと集中できる人とできない人の違いは何なのでしょうか。また集中できる自分になるには、どうしたらよいのでしょうか。(高校1年女子・P.N. H)

睡眠時間はいくらあっても足りないよね

高校生の頃は、私も授業中眠いことがありました。睡眠時間はいくらあっても足りないぐらいなのが高校時代かもしれません。さらに単調な授業で子守唄のようなトーンの話し方をされたら、即睡眠モードに入ってしまいます。特に午後の時間は睡魔との戦い時間になってしまう子もいます。

しかし、そのような環境の中でも、寝落ちするどころか、授業に集中している生徒がいます。

そのような生徒には次の3つのいずれかの特徴があります。

  • (1)規則正しい生活を送っており、夜ふかしがない。
  • (2)自分にとって意味のある授業、好きな授業である。
  • (3)眠くならないための仕組みができている。
規則正しい生活スタイルで「ルーチン化」を目指す

さて、この3つについて説明しましょう。

(1)規則正しい生活を送っており、夜ふかしがない

習慣の力は大きく、寝る時間、起きる時間、食事の時間など毎日ほとんど変えることなく、習慣になっていると昼間に眠くなることは少なくなります。

昼間に眠くなる一番の原因は夜ふかしです。少なくとも夜は12時前に寝る必要があります。そうしないと翌日のパフォーマンスに影響を与えるからです。ですから日中眠くならないようにするためには、生活スタイルを規則的にして、毎日同じ時間に同じことをする「ルーチン化」をするといいでしょう。

(2)自分にとって意味のある授業、好きな授業である

高校生に限らず、小中学生でも、つまらない授業は眠くなるものです。つまらないからといって、スマホを触ることもできず、ゲームで遊ぶこともできず、退屈になります。その結果、やることがなくなるので、眠くなるというわけです。

夜、眠れないときは「つまらない本を読む」ことが効果的と言われています。つまらない本を読めば、即寝落ちできます。まさにそれが授業中にされているということです。一方で自分が好きな授業、興味がある授業であれば、眠くなりません。本来は、先生が眠くならないような授業をすればいいのですが、先生も頑張ったところで、寝る生徒はいます。

(3)眠くならないための仕組みができている

さて、この3番目が実践してもらいたい方法です。つまり、授業中に寝ない生徒は眠くならないための「仕組み」を作っています。それは、「授業中、手を動かす」ということです。

手を動かすとはペンでノートに書くことをいいますが、ただ板書を書き写すというものではありません。次の2つの“作業”をしてみてください。

1、先生が口頭で話をした中で重要と思う部分を「メモ」する。

話を聞き、メモをするのですから、寝ている場合ではありません。もしメモをとらなくていいとしたら、手が動かないため、じっと先生の話を聞いているだけになりますが、そうすると眠くなります。

板書にないコメントもどんどんメモしよう

2、蛍光ペン、色ボールペンを使って装飾していく。

板書を書き写すだけなら誰でもやっています。そこに蛍光ペンで強調したり、色ボールペンで「ここ重要」とか書いて目立たせるのです。色がついてカラフルになり、しかも作業をしているので眠くなりません。

装飾して寝る暇を自分に与えない

実はこの2つの作業をしておくと定期テスト前がものすごく楽になります。何しろテストに出る部分が全部書いてあるのですから。

以上のように、眠くならないための仕組みを作っておくことをオススメします。この方法は大学でも、社会人になっても使える方法です。ぜひ試してみてくださいね。

 
石田勝紀さん 
いしだ・かつのり 教育者。教育デザインラボ代表理事。著書執筆・講演活動を通じて、学力向上のノウハウ、社会で活用できるスキルやマインドの習得法を伝える。『ぐんぐん伸びる子は何が違うのか?』(学研プラス)など著書多数

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