2018年度入試から

東京大学は3月10日、医学部医学科の進学希望者が受ける理科三類の一般入試に2018年度から面接試験を導入すると発表した。医療や医学研究に携わるのにふさわしい学生を多面的・総合的に選抜したいという。

理科三類での前期日程試験では1999年度から2007年度まで面接を実施していたが、どの受験者にも同じ質問を中心に実施する方式だったため受験生側の対策が進み、差がつきにくくなったとして廃止した経緯がある。

だが、医学部生が卒業時点で達成すべき教育成果を検討する中で、「コミュニケーション能力」「プロフェッショナリズム」「社会的視点」は入学の時点である程度備えているべきとの考えに至り、これらの資質を評価するために面接を再度導入することを決めた。入学者の中に、医学・医療を学ぶ動機が不十分で転学部した学生が少数いたことや、教育改革が進み、学生が患者と接する機会が増えていることも背景にあるという。

試験は、受験者ごとに質問を変える自由面接方式で実施する。國土典宏教授は「コミュニケーション能力や医学部で学ぶ動機などを評価し、適性を判断したい」と話している。