大学入試センターは、2021年度大学入学共通テスト(21年1月実施)の出題は、英語民間試験の利用延期にともなう変更はせずに、予告通りの出題や配点とする方針を決め、発表した。本番の試験も、2018年に実施された試行調査(プレテスト)と同様の問題構成になる見通しだ。

大学入学共通テストの英語の試行調査の問題

文部科学省は、大学入試の英語で「読む」「書く」「聞く」「話す」のいわゆる「英語4技能」をバランスよく測ることを目指している。そのために英語民間試験を入試に利用する新たな仕組みを始める方針だったが、地域や経済状況による不公平が解消できる見通しが立っていないことなどを理由に実施「延期」を決めた。

リーディング・リスニング100点ずつの方針を変えず

一方、現行センター試験の英語の配点は筆記試験が200点、聞き取り試験が50点だったが、新テストでも各技能をバランスよく測りたいとして、「リーディング」(100点)と「リスニング」(100点)の配点を同じにする。この方針は変えないという。ただし、各大学が配点の重みをかえて選抜に利用することは、現行センター試験と同様に可能だ。

発音・語句整序問題など出題せず

また、センター試験では、話す力や書く力を測るために、発音やアクセント、語句整序などを選択式で問う設問を長年出題してきたが、新テストではこうした出題を取りやめる方針を示していた。大学入試センターは、英語民間試験の利用が始まることも理由の一つにあげていたが、この方針も変えないという。