全国高校総体(インターハイ)陸上の男子砲丸投げが7月31日に岡山市のシティライトスタジアムで行われ、岩佐隆時(福井・北陸3年)が高校歴代8位の17メートル27で優勝した。(文・中尾義理、写真・幡原裕治)
高校生では珍しい回転投法
高校生では珍しく、技術の習得が難しい回転投法で投げる岩佐。1投目に16メートル21を投げて勢いをつかむと、「それがつながった」と言う2投目に会心の17メートル27が飛び出した。
回転のスピードと砲丸を突き出すタイミングが自然にはまったスムーズな投てき。そのときの感触はよく覚えていないようで、「(投てきを行う)サークルに入ったときに何かいける気がしました。力を込めて投げたじゃなく、勝手に飛んでいった感じ」と話していたが、それも正直な実感だろう。
1メートルごとに距離を示す白いラインが17メートルに用意されておらず、「17メートルを投げないだろうと思われているのかも」という気持ちも岩佐を発奮させた。
「インターハイの空気」が後押し
2投目以降は記録を伸ばせず、17メートル台は1本だけ。優勝が決まるまで、「逆転されないか、怖かった」と振り返る。それだけに、つかんだタイトルは175センチ・98キロの岩佐を喜びで震わせ、「インターハイという空気が力を出せさせてくれたと思います。たぶん今日の夜は眠れないでしょうね」と興奮を隠せなかった。
大会前は今季16メートル70でランキングトップだった池川博史(兵庫・滝川二3年)は父が同種目でインターハイを制覇した同じ岡山で親子Vを目指したが16メートル43で3位。8月1日のやり投げで頂点を狙う。