全国高校総体(インターハイ)陸上の男子100メートル決勝が7月30日に岡山市のシティライトスタジアムで行われ、宮本大輔(京都・洛南2年)が10秒61で優勝した。(文・小野哲史、写真・幡原裕治)
課題のスタートを克服
予選から10秒46のセカンドベストをマークし、準決勝も10秒48の好タイム。ライバルたちを置き去りにするほど勢いに乗っていた。「決勝は向かい風でしんどかったのですが、スタートも決まったし、中盤から抜け出せたので、逃げ切れるなと思いました」と坊主頭の2年生がはにかんだ。200メートルの高校記録を持つサニブラウン・アブデル・ハキーム(東京・城西3年)の回避により、混戦が予想されたレースだったが、ふたを開けてみれば、宮本が危なげない戦いぶりで頂点へと駆け上がった。
今季は初戦こそまずまずだった。しかし、自身は「5月や6月は調子が上がらず、府大会はギリギリ勝てた感じでした」と振り返る。課題の一つだったスタートを重点的に強化したことで、「近畿大会(6月16~19日)あたりからようやく調子が上向き、コンスタントに10秒4台を出せるようになりました」という。
「いつは桐生さんたちと対等に」
山口・周陽中学3年時に10秒56の中学記録を樹立。さらに強くなりたいと洛南への進学を決めた。「周りのみんなのレベルが高いので、お互いに切磋琢磨し合いながら伸びていると思います」と宮本。もともと痩身なので目立たないが、日々の質の高い練習でもまれる中で、入学時に比べて体重が4キロ増えた。
自身の将来像もおぼろげながら見えている。「いつかは(洛南OBで東洋大の)桐生(祥秀)さんのようなトップレベルの人たちと対等に走れるようになりたいです」
新たに誕生した2年生王者の今後に注目せずにはいられない。