受験勉強を続けていると追い込まれた気持ちになってしんどくなるときもあります。地方の高校生の大学進学を応援する東京大学の学生団体「FairWind」に所属する橋本侑京さん(工学部3年、土佐高校出身)から高校生への、受験などの「精神的なしんどさ」を感じる人へのアドバイスを紹介します。

「しんどさ」を感じている人の共通点

今回は、精神的にしんどいな、と思っている方に少しでも寄り添いたいと思い、この記事を書かせていただきました。

この記事を読んでくださっている皆さんの中には、「しんどい」「つらい」と思っている方もいるかと思います。

しかし、精神的につらいと思う理由は人によって千差万別です。

例えば、「成績が上がらない」だったり、「部活がうまくいかない」だったり、あるいは「人間関係がうまくいかない」と感じているかもしれません。

「しんどい」と感じる理由はおそらく人それぞれだとは思いますが、それぞれに共通していることはあると思います。

それは、「特定の世界に閉じこもっていること」だと思います。

例えば、成績が向上しないことに悩んでいる人は、あれをやっても成績が伸びない、これをやっても成績が伸びないと、「受験の世界」にばかり目が行きがちで、他のことに目が行きづらい状態になっていると思います。

その他にしんどいのも、「部活の世界」あるいは「友達関係の世界」にちょっとだけのめり込みすぎているのかもしれません。

のめり込みすぎかも、いったんそこから離れてみて

そのような時は、一旦落ち着いて視野を広げてみてください。

具体的には、今自分が悩んでいる環境から離れてみたり、離れることが難しいなら、普段自分がしないような行動を心がけてみるといいと思います。

例えば、勉強を少し休んで散歩や運動をしてみたり、部活を少し休んでみたり、友達に相談してみたり、などです。

そうすることによって、皆さんの悩みが少し相対化されるのではないでしょうか。

皆さんの悩んでいることはきっといい方向に向かうし、たとえ解決しなくても、自分の抱えていたしんどさが少し小さく感じられると思います。

しかし、受験を控えている高校生、特に高校3年生は「今はしんどいのは当たり前、それを乗り越えてこそ受験」のような、自分の抱えるしんどさを精神論で乗り切るように指導されたり、受験に対してそのような不文律を感じ取ってしまっている人も多いのではないでしょうか。

これらの指導や空気感は、受験生に対して、ある種の「しんどさ」を強要しているようにも見えます。

さらに、受験は点数のみで結果が出る一元的な世界です。「受験の世界」に閉じこもってしまっても仕方がないと思います。

立ち止まることも大切

ここから先はなんの気休めにもならないかもしれませんが、しんどいなら、少し休んでもいいと思います。

大学に入れば、今きっと皆さんが感じている「受験の世界」の圧力もどうでもよくなるほど、いろんな人がいて、いろんな価値観が存在します。

大学は高校とは比べ物にならないほど広い世界です。まだ大学生の私がそう感じるのだから、きっと大学を卒業してから感じる社会はもっと広いのだと思います。

「受験の世界」で結果を出すのも大事ですが、それだけではありません。しんどい時こそ、一度立ち止まってみることも大切だと思っています。

もちろん頑張るのは大切です。しかし、そこで精神を壊してしまうほど、「受験の世界」に閉じこもるのも違うと思います。

自分のできる限りの努力をして、休む時は休んで、受験に臨んでください! 応援しています!

【FairWind】東京大学の学生がつくる団体。地方と都会の教育格差の解消をめざして、東大生と地方の高校生との交流などの活動をしている。