地方の高校生の大学進学を応援する東京大学の学生団体「FairWind」に所属する八木瞭さん(理科一類1年、甲陽学院高校出身)から高校生への、「モチベーション維持法」のアドバイスを紹介します。

モチベーションを上げるのは難しい

今回は「モチベーション維持法」というテーマでお話ししたいと思います。この記事を見てくださっている皆さんは、日々志望校合格に向けて努力されていると思いますが、大学受験に対してなかなか実感がわかず、勉強のやる気がでないな~と思うことはありませんか?

僕自身も受験生になりたての頃は、なかなか勉強に対するモチベーションが上がらず、「なにも勉強しないまま夜を迎える」なんてことも少なくなかったです

ある時「このままではだめだ!」と思って、YouTubeで「勉強 モチベーション 上げ方」と調べたことがあったのですが、多くの動画で言われていたことを要約すると

①合格後の自分を想像しよう!

②一日の目標や成果を可視化しよう!

③やる気は後から出てくるものだから、とりあえず勉強を始めてみよう!

④ライバルや目標となる人を見つけよう!

といったような感じでした。

もちろん、これらの内容を否定するつもりはありませんが、これらの内容の多くはいわゆる「意識の高い人向け」のモチベーション維持法で、大学受験に対してなかなか実感のわいていなかった、意志力の弱い自分にはあまり効果のあるものではありませんでした。ということで今回は、自分のような「意志力の弱い人に向けて」自分がどのようにモチベーションを維持して継続的に勉強していたのかについてお話します。

勉強を「習慣化」すればいい

結論から言うと、意志力の弱い人が勉強を継続的に行えるようにするには、「勉強を習慣化」するのが一番いいと思います!

いったん勉強を習慣化できれば、勉強するという行為自体へのストレスは大幅に減りますし、勉強を始めることへのハードルもうんと低くなります。

イメージとしては「モチベーションがないから勉強ができない」状態から「モチベーション云々なんて関係なく、習慣として勉強する」状態になろうということです。じゃあ「どうやって「勉強を習慣化」するのか?」ということで、自分が行っていた方法を2つ紹介します。

自習室で友人にスマホを預ける

①友達と一緒に自習室にこもる

これが一番効果的だと思います。

受験勉強において友人の存在は本当に大きかったです。

自分は一人だとなかなか自習室に行く気にならなかったので、勉強に対する意識の高い友人と一緒に学校帰りに塾の自習室に行って、自習室が閉まるまで勉強するようにしていました。

また僕の場合は気がつくとついスマホを触っちゃったりするので、一緒に塾に行っていた友人にスマホを預けて、調べ物をしたいときだけ借りるようにしていました。

自分は家だと誘惑が多くてなかなか勉強に身が入らなかったのですが、結局はいかに「毎日勉強せざるを得ない環境を自分で作るか・そしてそこまでのハードルを下げるか」が大切だと思います。

なので自分が今挙げた方法以外にも、皆さん自身に合うものをいろいろと模索してもらえればなと思います。

遠い未来のために努力するのは難しい

②「今」を意識した動機付けをする

人間ってなかなか遠い未来のことに向かって努力するのって難しいですよね。

例えばタバコを吸う人が、いくら体に悪いと分かっていてもなかなか煙草を吸うのをやめられないのと同じように、論理や未来の目標が今の本能に負けてしまうことってよくありますよね。

自分は勉強においても同じだと思っていて、意志力の弱い人が勉強をするのに大切なことは、第一志望に合格したいという遠くの目標よりも、「今」勉強しなければならない理由(論理的なものよりも感覚的なもの)を見つけることだと思います。

たとえば、「この問題が終わったら好きなお菓子食べよう」、「この問題終わったら好きな音楽を聴こう」といったものから「かわいい定員さんのいるカフェで勉強しよう」、「(高額な参考書・文房具を買って)お金がもったいないから勉強しよう」、「宿題の提出期限がやばいから勉強しよう」という感じです。                

手段はとにかく、「今」を意識して動機付けをするというのは、

どうしても勉強のやる気が出ないときや、そもそも勉強に対して抵抗が大きいときにはめちゃくちゃ有効だと思います。

大事なのは適度に休みながら努力し続けること

いかがでしたでしょうか? 

「モチベーション維持法」というよりは「モチベーションなるものに左右されずに勉強する方法」というような内容になってしまいました。

ただここまで偉そうに話してきた自分も受験生の頃、一切休むことなく毎日勉強できていたかといわれると決してそうではなく、

適度に休憩や息抜きもはさんでいました。大切なのは、「適度に休みながら継続的に努力できること」なのかなと思います。

この記事が少しでも皆さんのお役に立てばうれしいです。応援しています!

【FairWind】東京大学の学生がつくる団体。地方と都会の教育格差の解消をめざして、東大生と地方の高校生との交流などの活動をしている。