地方の高校生の大学進学を応援する東京大学の学生団体「FairWind」に所属する大内山辰志さん(文学部3年、鹿児島県立鶴丸高校出身)から高校生への、勉強法に関するアドバイスを紹介します。

整理整頓が東大受験の助けに

突然ですが、みなさん自分の部屋は整理整頓されていますか?

自慢じゃないですが、僕の部屋はとても整理整頓されていて綺麗です!!

すみません、自慢でした。

最近お気に入りの収納グッズは段ボール型の収納ボックスです。

重量も軽く、リーズナブルな値段でありながら、デザイン性も高くて部屋の雰囲気を崩さず、

引っ越すときはそのままもち運べるという優れものです!!

今日はそんな僕の整理整頓テクニックを紹介!!...という記事もいつか書いてみたくもありますが、残念ながら今日はそういう記事ではありません。

整理整頓が好きな僕の性格は、僕の東大受験の大きな助けになりました。今日はそんなお話です。

勉強と整理整頓は似ている

まず大前提として、整理整頓が得意でなければ東大に合格できないというわけではありません。

現に僕は寮生活をしていて友達の部屋もよく見るのですが、学業の成績と部屋の整理整頓され具合はそこまで関係ありません。

あくまで僕個人の感覚として、勉強と整理整頓が似ている性質を持つと感じる部分があります。

みなさんが小さかった頃、部屋に散らかったおもちゃを片付けなさいと言われたときを想像してみてください。

大きなおもちゃ箱に、特に何も考えずに一つずつおもちゃを入れていくとしましょう。

何も考えずに入れていくと、最後になって箱に入りきらなくなってしまいそうですよね。

さらに、仮に全てのおもちゃが箱に入ったとして、次に遊ぶときにある特定のおもちゃで遊びたいときはどうするでしょう。

おそらくすぐに目当てのおもちゃは見つけられず、箱を全てひっくり返して探すことになると思います。

知識を整理する「棚」が必要

これを勉強に置き換えるとどうでしょう。

おもちゃが頭に入れるべき知識で、おもちゃ箱が頭の中の容量だとすると、

上と全く同じことが起きると思います。

受験勉強における知識は量がたくさんあると同時に、

使いたいときにすぐに引き出せる知識にしておかなければいけません。

そのためにも、一つ一つの知識をバラバラに、箱に放り込んでいくように覚えるのではなく、

整理しながら覚えていく必要があります。

整理に必須なアイテムは「棚」です!

箱の中にバラバラに入れていくのではなく、まずは棚を作り、その中にジャンルごとに分類して収納していくことで、

スペースを無駄なく使いつつ、次に取り出すときもすぐに取り出すことができます。

知識の「ジャンル」に注目すると覚えやすく

例えば世界史の勉強において、「棚」として機能するものの一つに「王朝の順番」があると思います。

細かい出来事を覚える前に、まずはこの棚を自分の中でしっかり作ることが大切です。

ノルマン朝、プランタジネット朝、テューダー朝、ステュアート朝...とイギリスの王朝の順番をまずは覚え、その棚の中に出来事を入れていくイメージです。

さらにテューダー朝という棚の中には、ヘンリ7世、ヘンリ8世、エドワード6世、メアリ1世、エリザベス1世という為政者の仕切りをしっかり作り、その中に出来事を整理していきます。

まずは王朝→その中に為政者の順番→そして最後に細かい出来事という順番で、外側の大枠をしっかり押さえてから入子状に中身を詰めていくことで、僕は知識を整理してきました。

歴史の科目が分かりやすいですが、歴史に限った話ではありません。

古文の助動詞を覚えるときにも、英語の語法を覚えるときにも、受験勉強で使う知識にはどれも「ジャンル」というものが存在します。

目の前の細分化された知識を暗記することに集中するあまり、自分が全体の中でどこを勉強しているのかが分からなくなる迷子状態だと、知識はいつまでたってもバラバラのままで、覚えても覚えても本番では使えないものになってしまいます。

言われてみると当たり前のことかもしれませんが、暗記する際に意外と「整理」に意識を向け忘れてしまうことは多いです。

特に暗記科目においてなかなか知識が入ってこないという人は、自分がしっかり「棚」を作ってジャンルごとに知識を整理できているかどうかを確認してみてください!

まずは身の回りの整理整頓から

最後に、部屋の整理整頓が得意かどうかと、知識の整理整頓が得意かどうかは、必ずしも全員が関係するものではありません。

テスト直前に部屋の片付けをしたくなる現象に身を任せて、整理整頓ばかりして勉強しないこともあまり好ましいことでもないですもんね。

しかし、今勉強がうまくいっていないという人は、一度だまされたと思って身の回りの整理整頓から始めてみてはどうでしょう。

学校からもらったプリントがくしゃくしゃになったままカバンの中に突っ込まれていませんか?

勉強する机の上には関係のない参考書や本やマンガが山積みになってはいませんか?

そうした環境を一度整えてみることで頭の中もスッキリして、心に余裕を持って勉強にも取り組めるかもしれません。

【FairWind】東京大学の学生がつくる団体。地方と都会の教育格差の解消をめざして、東大生と地方の高校生との交流などの活動をしている。