森七菜さんの高校時代　校庭で突然握手会、「マネジャー」の友達が仕切る

話題作への出演を重ね、今もっとも旬の若手女優の一人に挙げられる森七菜さん。芸能活動で多忙を極めた高校時代。地元の高校に通いながら、親しい友人たちとの青春を満喫した日々を振り返ってもらった。（文・中田宗孝、写真・幡原裕治）

登校前に友達と朝ごはん

―高校時代の思い出を教えてください。

いっぱいあるなぁ。別の高校に通う友だちと登校前に合流して、ファストフードを一緒に食べたこととか（笑）

朝食を終えたら「いってらっしゃ～い」「いってきま～す」って、それぞれの学校に通うんです。

―森さんの学校生活は、芸能活動との両立でもありましたね。

はい。高校生としての日常、女優のお仕事、なんだか２つの人生を生きている感じだったんです。

芸能活動で学校に通えない日もありましたが、クラスメートが授業の内容をノートに書いてくれたり、プリントを送ってくれたりと、いっぱい助けてくれました。

何より、クラスのみんなが私の芸能活動を応援してくれるのがうれしかったんです。「（出演する）ドラマ見たよ！」って、声掛けてくれたなぁ。

学校の中で握手会、友達が仕切ってくれて

―普通の学校生活を満喫できましたか。

私にとっても、クラスメートにとっても芸能活動する私が普通なんです。時々、他学年の生徒が「（芸能人の）森七菜だ！」となって、校庭で握手会が始まっちゃうこともありました。

私もとってもうれしくて全然（問題なく）対応するんですが、その場が混乱しないように「私、森七菜の高校でのマネジャーだから」って仲良しの友だちが仕切ってくれたんです。

「写真は撮らないで」「握手したらすぐに右にそれてください」と、まるでアイドルの握手会みたいに。その様子は面白いんですけど、すごく温かいなぁと感じていました。

自分を追い込まないで

―高校生に向けてエールをお願いします。

高１のみなさんは、高校生活の基盤をつくる学年です。友だちをたくさん作ってください。高２のみなさんは、一番学校生活を楽しめる時期。思いっきり楽しんで。勉強もちょこちょこしながらね！

高３のみなさんは……頑張ろう！　この先の自分の人生を決める時。将来の不安にかられて、自分で自分を追い込んでしまわないように気をつけてください。時には気楽に構えることも必要です。

応援したくなる愛らしさを演技に乗せて

―映画「ライアー×ライアー」では、高校生ギャルになった森さんの姿に驚かされました。

私もです（笑）。明るいカラーのウイッグをかぶって、つけまつげにつけ爪……普段の私とは印象が全然変わるなって！　

実はカラーコンタクトも入れているので、目玉がパキッとなって本当に別人。もしプライベートで髪を染める機会があったら、今作の役作りで挑戦した眉毛のカラーリングは取り入れてみたいと思いました。

―キャラクターの内面をどのように演じようと考えましたか。

私の演じた湊は、感情が豊かで、喜怒哀楽がすぐに表情にあらわれてしまうようなキャラクター。

（“JKのみな”に変装して義弟の透に）うそをついてはいるんだけど、誰もが応援したくなるような愛らしさのある演技をしたいと心掛けたんです。

―実際の演技で大事にしたことはありますか？

今作は同名漫画を実写化した作品。湊の愛らしく豊かな表情を演じるために、原作と同じシーンが描かれるところは、漫画のページを印刷して台本に貼り付けていたんです。それを見ながら本番の直前まで湊の表情をイメージして撮影に臨みました。

劇中、JKのみなが透に迫られて……というシーンがあるのですが、ここでみなは「ちょ、ちょっと！」と手でバッテンを作るんですね。私は原作漫画のこのシーンが大好きで、どうしても実写でも演じてみたいと思って、監督に「原作どおりにやってみたいです」と提案させていただきました。

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もり・なな

2001年8月31日生まれ。大分県出身。2016年、スカウトされ芸能活動を始める。2019年公開の劇場アニメ「天気の子」のヒロインの声を演じて注目を集める。主な出演作は、ドラマ「3年A組-今から皆さんは、人質です-」「この恋あたためますか」ほか多数。2020年公開の出演映画「ラストレター」の主題歌を担当し歌手デビューを果たす。

映画「ライアー×ライアー」

女子大生の湊（森七菜）は、親同士の再婚で義理の弟になった同い年の透（松村北斗）と同居中。だが湊は、女癖の悪い透にあきれ果てており、姉弟の関係はギクシャクしていた。そんなある日、女友達の頼みで高校の制服にギャルメイクをした湊は、偶然街中で透とはち合わせ。湊はとっさに“JKのみな”だと透にうそをつくが、透がみなに恋心を抱いてしまい、正体を明かせなくなり……。配給：アスミック・エース。2月19日（金）より全国公開。（C）2021「ライアー×ライアー」製作委員会（C）金田一蓮十郎／講談社