高校生のいそふらぼんさん(2年)は、兄が知的障がいを持っています。なぜ兄ときょうだいになってしまったのかと思う日もありましたが、今は「大好き」な存在だと言います。
知的障がいを持つ2個上の兄
皆さんは家族のことを友達に話しますか?
私の友達はよく、両親やきょうだいについて楽しそうに話しています。私には2歳年上の兄がいるのですが、みんなと同じように兄のことを話すことができません。なぜなら、私の兄は知的障がいを持っているからです。
同級生が兄をいじめ…怒り、やるせない
私は兄と、小学校のみ同じ学校で一緒に過ごしていました。
最初は友達に、兄のことを隠さず話していたのですが、ある出来事がきっかけでみんなに話せなくなってしまったのです。自分の同級生が兄をいじめていたんです。
先生方は、いじめていた子たちを本気で叱ってくれたのですが、その子たちは「いじめてもヘラヘラ笑っている様子が面白かった」と言っていたのです。
その後も、通っている塾で、知らない人から「お前の兄貴はばかなんだからお前も来る資格はない」というメモを投げられるなど、悲しい日々が続きました。
私は激しい怒りとやるせない気持ちでいっぱいでした。そこから「友達に兄のことなんて話すまい」と決めたのです。
泣いているとなでてくれる兄が大好き
「なぜ私は兄ときょうだいになってしまったのか」と思う日々もたくさんありました。しかし、私は今、兄ときょうだいで本当に良かったと思っています。
私が悲しくて泣いてしまったときは、「大丈夫?」となでてくれるし、楽しいときはたくさん笑い合います。そんな兄が今は大好きです。
ですが、兄と外に出ると、周りから冷たい視線を浴びてしまうことは変わりません。皆さんには、少しでも障がいを持った人を理解してもらいたいと思います。
クラス代表となりスピーチ
今は、みんなに障がいを持つ人々を理解してもらいたいと思い、学校の探究活動発表で、障がいを持った人々の仕事などについて、クラス代表として学年全体にスピーチをすることができました。
みんなから「認め合える世界を作りたいね」と言ってもらえて、とてもうれしかったです。
障がいを持つ人たちをみんなで受け入れる平等な社会の実現に向け、これからも情報を発信していきたいです。(いそふらぼん=2年女子)