高校生のましゅまろさんは、両親から離婚することを告げられました。当たり前にそばにいると思っていた家族との別れ。突然の出来事にどう向き合ったか、打ち明けてもらいました。

親が突然離婚…誰かに話を聞いてほしかったけれど

「パパたち別れることになったから」

数カ月前のある日、学校から家に帰ると、父にこう言われました。私はすごく冷静でした。まずは、この話を誰かに聞いてもらおうと思いました。自分だけで考えたり、この状況に立ち向かったりするのが怖かったからです。

弱音を吐いたり本音を言ったりするのが苦手でなかなか話せなかった

でも誰に話していいか分かりませんでした。自分の気持ちの整理がついていなかったことや、弱音を吐いたり本音を言ったりするのが苦手なことも原因にあったと思います。

これは私を強くするための試練

私は、中学校の先生に話を聞いてもらいました。先生は「弱さを見せることはそんなに悪いことじゃないよ」「家族のことは家族でしか解決できないと思う」とおっしゃいました。そう言われて、私は自分の気持ちを母に話す勇気が出ました。先生に話したことで、私はやっと現実と向き合い、自分の気持ちを整理できました。

この経験を通して私が感じたのは、周りの人とのつながりを大事にするべきだということ、弱さを見せるのはそんなに悪くないということです。たくさんの人が私をサポートしてくれています。そのおかげで、「私は一人じゃないんだ」って思えるし、「きっとこれは私を強くするための試練なんだ」って前向きに捉えることができています。

「ありがとう」を言えばよかった

でも、一つだけ後悔していることがあります。それは、家族とのコミュニケーションをもっと大事にすればよかったということです。

私は、中学校の卒業文集で母宛てに感謝の気持ちを書きました。高校を卒業するときには父に、成人するときには両親に、感謝を伝えるという計画がありました。それは、両親が離婚してもできるけれど、形が変わってしまうのは事実です。

私はこの約17年分の数えきれない「ありがとう」を、いつ、どんな形で伝えればいいのか分かりません。自分の本音を家族にさえ伝えるのが苦手で、心の内に秘めてしまうことは、私のよいところでもあり、悪いところでもあると思います。ただ、この状況においては、マイナスが大きすぎました。だから、このようなことが二度とないようにしていきたいです。

感謝の気持ちはいつでも伝えられるわけではない

「いつが最後になるか分からない」とよく聞く言葉が意味しているのは、「死」だけではないのです。(ましゅまろ=2年)