新型コロナウイルスの感染拡大防止のための休校が続いたことで、授業の遅れや生活リズムの乱れなどに不安を感じている人も多いのではないでしょうか。医師として受験生のメンタルケアに取り組む吉田たかよし先生に、高校生から寄せられた悩みへのアドバイスを聞きました。

お悩み:生活のリズムが乱れてつらい。元に戻す方法は?

今年になって新型コロナウイルスの影響で生活のリズムが変わりました。授業のペースも早くなり、毎日、なんだかとても疲れてしまっています。夏休みも短縮になり、つらいです。生活のリズムを取り戻すために実践できる方法を教えてください

朝の過ごし方が肝心、部屋に光を入れて

生活リズムを整えるには、朝の過ごし方が最も大切です。さまざまな生活習慣を一度にすべて改善しようとするのは難しいので、まずは「早寝早起き」ができればよいと考えましょう。

朝の光を取り入れよう

朝、目から光が入ることで、脳は朝が来たことを認識して体を活動モードに切り替えます。それから約14~16時間が経過するとメラトニンというホルモンを分泌させることで、自然と眠気が生じるようにしています。朝起きたら部屋のカーテンを開け、天気のよい日はベランダや家の外に出て朝日を浴びるのを習慣にするとよいでしょう。

5分間朝食時間を長くしてよく噛んでみて

朝の過ごし方としては、朝食をよく噛んで食べることも心がけましょう。

朝ごはんはよく噛んで

食べものを噛むことは一種のリズム運動であり、朝起きて活動し、夜になると自然と眠くなるといった体内時計のリズムを整えるうえで役立ちます。今よりもあと5分、朝食を食べる時間を長く確保して、1口あたり20回から30回を目安にしっかり噛んで食べると、勉強効率の向上が期待できます。

同時に、体を動かすことも重要です。ラジオ体操や3分間程度の屈伸やスクワットを、朝の時間に取り入れてみるとよいでしょう。生活リズムの乱れを放置すると、勉強効率にも悪影響が出るため、長い目でみると受験にもダメージを与えかねません。土日や長期休暇中も、朝は学校がある日と同じ時刻に起きるようにして、生活リズムが大きく乱れないようにすることをおすすめします。

 

吉田たかよし先生

よしだ・たかよし 医学博士・心療内科医師。「本郷赤門前クリニック」院長として、脳科学と学習医学を活用して受験生の心身をサポート。学習塾「浜学園」のホームページで、勉強法や合格を勝ち取るための食事のレシピなどの動画を公開中。
https://www.doctor-yoshida.net