人と話すとき、緊張したり、何をどう話していいかわからなかったりする人もいると思います。「話すこと」に劣等感を抱いていた私が、克服するきっかけになった出来事を紹介します。(高校生記者・くじら= 2年)

「嫌われないようにしよう」友達との会話で緊張

私は中高一貫校に通っています。中学受験をして今の学校に入り、約5年たちました。

中学入学当初、私は友達作りに不安を感じていました。中高一貫校なので、6年間もの時間を共に過ごすことになるからです。

友達と海で夕焼けを見た

中学入学後に初めて仲良くなり、一緒に帰る口約束をした友達には数日で置いてかれました。その後に仲良くなった子たちには、「とにかく嫌われないようにしよう」と思うと、次第に話すこと自体に緊張するようになりました。

「オウムみたい」発言にショックを受け

ある日仲良くなった子たちと話していると、その内の1人が「くじらってさー、いつもオウムみたいだよね(笑)」とちゃかしてきました。私はいきなりそんなふうに言われ戸惑い、少し傷つきました。しかし言ってきた本人はその後も気にした様子はなく、私は暗い気持ちで家に帰りました。

友達と船から見渡したきれいな空

「話題を切り出さない自分」に気づいた

暗い気持ちを抱えつつ、帰宅後にベッドの上でもんもんと「オウムみたい」と言われたことについて考えました。考えていくと、「たしかにその子の言う通りだな」と感じたのです。

私は嫌われまいとするあまり、自分から話題を出すことを避け、グループ内でウケた他の子の発言を繰り返していました。つまり、その子の言う「オウム」のようになっていたのです。

友達と猿島のトンネル内を歩いた

「自分が面白いと感じた」話題を話すように

それ以来、私は少しずつ自分からも発言するようにしました。もちろんすぐには「オウム癖」も治っていなかったかもしれませんが、意識的に「自分が感じた面白い話題」を人に話すようにしました。

すると、「着眼点が謎(笑)」「面白いね」など、と周りの子たちがほめてくれるようになりました。以前より、会話も気負わず自然体で話せるようになったのです。おかげで今は、入学当初に想像したよりも楽しい学校生活が送れているように思います。

「ありのまま」をさらけ出そう

人にありのままの自分自身をさらけ出すことは恥ずかしいし、緊張するかもしれません。でも、偽りの自分でいるより何倍も楽しく過ごせます。いつも友達と過ごすときに自分にプレッシャーを感じる人は、自然体な自分を大切にしてみてください。