以前の私は、自分の字がとても嫌いでした。長く習字をやってきたのに、字にコンプレックスがあったんです。それは、同級生の一言が発端でした。(高校生記者・ゆなちき=2年)

「字汚いね」にショック

私は小学校の6年間、習字を習っていました。小1の頃に母の字を見て「こんな風にきれいな字を書けるようになりたい!」と思ったのがきっかけでした。しかし、小学生の間に字がきれいになることはありませんでした。

私のノートの字

真面目にやっていたのに、親にも「真面目にやってなかったからじゃない?」と言われたり、同級生に「習字やってるのに字、汚いんだね!」と言われたりして、自分の字が嫌いになりました。「なんであんなに一生懸命やったのに字がきれいにならないんだろう」と、本当にショックでした。

中学生になり、書道の授業で先生から「誰か習字を習っていた人はいますか?」という問いがあっても、私は手を挙げませんでした。また「習字やってるのに字、汚いね」と言われるのは嫌だったからです。

先生の一言で「頑張りが報われた」

高校では、習字を習っていたことを誰にも言っていませんでした。しかし、ある日、自分の字を好きになる出来事が起きたのです。

きっかけは日直日誌でした。私が書いた字を見て、当時の担任の先生が「字がとてもきれいだ!」と褒めてくれたのです。その時、すごくうれしくて涙目になっていたと思います。褒められたことより、頑張ってきたことが報われた気がしてうれしかったです。それから私は自分の字が好きになりました。

自分の字に自信を持てた

この出来事で、「好き」という言葉の本質を見つけたような気がしました。「好き」になると、その物事に対して全くブレなくなります。今では「字が汚いね」と言われても「え、そう? でも私は自分の字が好きだからいいの!」と答えられます。