私は「容姿の話題」になると、いつも気持ちが沈み困っていました。友達がかわいいと褒められると、心が嫉妬でいっぱいになります。自分が逆に褒められても、素直に受け取れないんです。(高校生記者・きり=1年)
容姿の話題になると落ち込んで…
私は女子校に通っています。「女子校は生徒同士の距離が近い」とよく言われますが、距離の近さに助けられる一方で、悩む場面も多いんです。
「今日もかわいいね」など、容姿に関する言葉が日常的に交わされます。私はもともと容姿に自信がありません。「〇〇ちゃんの肌ってきれい」など見た目の話になると、「いいなあ。私はきれいじゃないから」と気持ちが沈み、会話にうまく入れなくなってしまいます。

褒められても困惑
反対に、自分が褒められる立場になっても、なんて返せばいいのかわからなくなってしまいます。
「ありがとう」と言いながらも、どうもしっくりこないんです。どちらの立場でも、うまく会話に入れず、居心地の悪さを感じてしまいます。
なぜ私だけ苦しいの?
ある日「なぜ私はこんなに悩むのか」と考えてみました。周囲の友人は平然と話しているのに、私だけが暗い表情で会話に入れず苦しい思いをしている。理由を探していくと、頭の中には「いいな」「うらやましい」「それに比べて私は……」という感情が渦巻いていると気付きました。
ルッキズムにとらわれてた
容姿に対するコンプレックスは、他人ではなく自分自身が強く意識しすぎていたせいかもしれない。ルッキズムにとらわれていたのは、まさに自分自身だったのです。
他人の美しさや魅力を素直に受け取れない自分の心に、ねたみや羨望(せんぼう)が積もっていたのだと思います。
容姿の話題はいまだに苦手で、コンプレックスとどう向き合えばよいかも分かりません。でも、自分を苦しめていた原因をたどる中で「つらさの正体」に気付けた気がします。すると、少しだけ心が軽くなりました。
- きり 神奈川県在住。文芸部所属。得意な教科は社会。ディズニー映画や海外のアニメが好き。最近はトイ・ストーリーに再熱中。